大謝名の宇地泊川に隠された知られざるミステリー
- 2021/4/16
- 社会
軍道1号線の設置
第二次大戦後、沖縄では米軍によって南北を繋ぐ軍道1号線(現在の58号線)が敷かれ、牧港川にもコンクリートの橋が掛かり、それに伴う大掛かりな埋め立ても行われ河口が大幅に縮まったのだ。その影響は大きく、大雨が降ると比較的流れの小さい宇地泊川は、主流である牧港川の流れに遮られ合流することができず、度々氾濫を起こしてしまっていた。
その解決策として、大胆にも宇地泊川の流れを人工的に大きく付け替え、牧港川へ合流することなく直接海に流れ出るようにしたというわけだ。
“妙な入り口”の正体とは
ここで謎が解けた!
先述したマチナトボウルの妙な入り口は、元の水流を埋めた跡だったのだ!A&W牧港店の入り口付近にも、明らかに以前はそこが川であったと分かる砂利の埋め立て道が今でも残り、さらにその砂利道を奥へ向かって歩いてみると、昔ながらの古い階段跡、川らしいカーブ跡も見る事ができる。
加えて、川の河口部分だったと思われる場所には、当時の欄干もそのまま残っている。
そしてもう一つ、冒頭で妙な場所に祠がポツンと存在すると言及していたことを思い出してほしい。憶測だが、川の流れに手を加えるということは、一方でそれまでの川の流れを潰すということになる。水は、遥か昔から人々にとって清き尊く、生きていくために最も重要なもの。その水を届けてくれる川の流れを、人工的に埋めてしまうのは、ある意味神への冒涜にもなりかねない。そこで、元の流れを切り離す分岐点であったその場所に、神を祀ったのではないかと思うのだ。
我々は常々、人間にとって都合のいいように、便宜が良いようにと開発を続けてきているが、その都度自然界へ感謝する気持ちを忘れないようにしたい。