沖縄県の「気候非常事態宣言」実現に働きかけた市民活動
- 2021/4/14
- 社会
県が「気候非常事態宣言」発表
陳情書は、県議会の委員会で審議された。その後、県の協議会に参加し議論を重ねる中で、昨年11月に国会が宣言を可決、採択したことも活動への追い風となった。沖縄県は、今年3月末に「気候非常事態宣言」を発表。都道府県による宣言は6例目で、玉城知事は記者会見で行政・県民・事業者が一丸となって気候変動対策に取り組んでいく決意表明を行った。
行政には目標達成に向けた施策を、県民には省エネ製品利用のライフスタイル転換を、事業者には使用燃料や設備の転換などで気候変動に配慮した事業展開を求めた。
玉城知事は「県全体で現状認識と将来への危機感を共有し、気候変動対策に一層取り組んでいく決意だ。脱炭素なライフスタイルへの転換をテーマに県も全力で取り組む。県民や事業者もぜひ一緒に取り組んでいこうと」と呼びかけた。
神谷さんは「『地球温暖化の問題をどうにかしたい、住める地球を次世代にも残したい』という想いから始まって約2年。特に人と人をつなげることを頑張ってきた。気候非常事態宣言に向けて動いた頑張りが、こんなに早く形になって嬉しい」と安堵し、「1人では実現できなかったので、仲間たちと関わってくださった方たちに、本当に感謝の気持ちでいっぱいです」と感謝した。
<沖縄県気候非常事態宣言の概要・内容の詳細>
https://www.pref.okinawa.lg.jp/site/kankyo/saisei/okinawakennkikouhijyoujitaisenngenn.html
「ゼロエミッションラボ沖縄」として、次なる行動へ
県が気候非常事態宣言を表明したことで、当初のミッションが達成された「CEDを出そう!沖縄」は、4月から団体名を「ゼロエミッションラボ沖縄」に変更し、沖縄の脱炭素社会に向けて活動していく。今月から再スタートを切り、行政、事業者、県民が連携するプラットフォームを作り上げて、実践につなげていく考えだ。メンバーも募集中だという。
神谷さんは「宣言は持続可能な沖縄にしていく通過点。さまざまなアクションを起こして、みんなの力を合わせて、世界をリードする持続可能な沖縄社会を作っていきましょう。少し大げさかもしれませんが、人が力を合わせれば社会を変えることができる」と呼びかけている。