第11管区海上保安本部は22日、部下に対してパワハラを行ったとして男性職員(44歳)に2カ月の停職、ほかの男性職員(46歳)には2カ月の減給20%の懲戒処分を下したと発表した。いずれも、パワハラが行われた21年4~6月頃、宮古島海上保安部に所属していた。
同本部によると、パワハラを受けていた被害者は、海上保安学校を卒業後に配属されたばかりの20代男性で、2021年6月30日に巡視船内で自殺していたという。
同本部は「私的な心情に関することも含め、複数の要因で悩み自殺に至った」と分析しながらも、「パワハラ行為の心理的負荷も要因の一つと考えている」と指摘した。
処分された男性(44歳)は21年5月、被害者が着用するヘルメットの養生テープに、被害者の名字とともに宮古の方言で相手を侮辱する言葉を記載した。
被害者を飲みに誘うなどコミュニケーションを取る努力をしていた一方、冗談を言っている時も相手に対して「ばか」という発言することが状態化していたという。
おまた、同年6月に飲酒で酩酊(めいてい)した被害者が嘔吐(おうと)した際、嘔吐物がついた被害者の靴やズボンを、ポケットに入っていた財布を含め海面に投げ捨てた。
ほかの男性(46歳)は、同年6月、被害者が巡視船の寄港地で手続きを取らずに上陸しようとしたため、激しく叱責した。このほか、相談を受け、「死ぬなんて駄目だぞ。遺書を書くなんて駄目だぞ」と言ったものの、「遺書を書け」と受け取られた可能性もあるという。
同本部の島谷邦博本部長は「二度と、このような悲劇を繰り返さないよう、所属職員のハラスメント防止と服務規律の徹底を図っていく」とのコメントを発表した。