「恒久平和」を祈る 「慰霊の日」で沖縄全戦没者追悼式
- 2024/6/24
- 社会
「慰霊の日」の23日、第二次世界大戦末期の沖縄戦で最後の激戦地となった、糸満市摩文仁にある平和祈念公園で、沖縄全戦没者追悼式(主催・沖縄県、沖縄県議会)が開催された。約4500人が参列し、戦没者のみ霊を慰霊するとともに、恒久平和を祈った。昨年に続く通常開催で、一般参列者の出席や式典後の焼香も行われた。
玉城デニー知事は平和宣言の中で、ロシアによるウクライナ侵攻、イスラエル・パレスチナ情勢などをあげて「戦争というい過ちを繰り返している」と指摘した。
また、沖縄を取り巻く東アジア情勢については、「米中対立や中国の軍事力の強化、台湾や朝鮮半島を巡る問題など、自国の軍事増強により、抑止力の強化がかえって地域の緊張を高める一方、経済面での緊密な結びつきが併存するなど、安全保障環境が複雑化している」と指摘した。
沖縄については、米軍基地の基地負担に加え、自衛隊の配備が進んでいるとして「悲惨な沖縄戦の記憶と相まって、私たち沖縄県民は、強い不安を抱いている」と述べた。
来賓として出席した岸田文雄首相は、来年には沖縄戦から80年を迎えることに触れ「県民の皆様のたゆまぬ努力もあり、沖縄経済は着実に成長し、県民生活も大いに向上した。『強い沖縄経済』の実現に向けて、国家戦略として、沖縄振興を総合的に進めていく」と強調した。
また、「今もなお、沖縄の皆様には、米軍基地の集中などによる大きな負担を担っていただいている。政府として、このことを重く受け止め、負担の軽減に全力を尽くす。引き続き、在日米軍施設・区域の整理・統合・縮小を進めるととに、目に見える成果を一つ一つ着実に積み上げていく」と語った。