2人の県出身美容師 シンガポールで人気店経営、2号店も計画

 
「Room Hair Salon」の仲宗根隆一さん(左)と長尾恵美子さん

 2020年2月、2人のうちなーんちゅ(沖縄人)美容師が共にシンガポールで美容室「Room Hair Salon」を開業した。読谷村出身の仲宗根隆一さんと那覇市出身の長尾恵美子さんだ。
 シンガポールもコロナの煽りを受け、日系企業の撤退や事業縮小の話を耳にすることも多い。そんな中でも同店はローカル層から高く支持される人気ヘアーサロンとなり、2号店出店の計画を進めるほどだ。躍進を遂げるに至った理由はどこにあるのだろうか。

「幸せ」提供する店づくり

 2人はそれぞれ東京で美容師として約10年の経験を積み、その後シンガポールへ。共に同じ日系サロンのトップへアスタイリストとして活躍している時に出会った。
 仲宗根さんは当時GM(ジェネラルマネージャー)を任され、長尾さんも右腕として活躍。それぞれ、SoneとEmikoの呼び名で親しまれている。

 「まさか沖縄人(うちなーんちゅ)同士で店をするなんて思ってもいなかった」と話す長尾さん。2人はそれぞれ異なるタイプの美容師だ。仲宗根さんは行動派で自分の見せ方が上手くマーケティングに長けている。一方、長尾さんは派手に自分をアピールすることもなく地道に固定客を広げていくタイプ。あまりにもタイプが逆でぶつかることも何度もあったという。

 そんな2人だが、共同経営を決めた一番の理由は「お客様に『最高の幸せ』を提供する店づくりをしたい」という最終着地点が一緒だったからだ。そして何よりフィーリングが合った。それはやはり「生まれ育ったのが同じ『沖縄』ということが大きいと思う」と声をそろえる。2人の会話で自然と出る「うちなーぐち」や、トラブルが起こった時にも最善を尽くし後は流れに身を任せる、いわゆる「なんくるないさー精神」をお互いに理解し合えるという。

「風を感じて」独立へ 沖縄がつなぐ結束

 その後、仲宗根さんは独立することを決意する。「風を感じたわけさー」と自分の気持ちに真っすぐに動いた。
 しかしその場合、後任でGMとなるべき存在は長尾さん。一緒に起業したい思いはあったが、お店への影響を考慮すると、2人とも退職するという選択は不可能に近かった。

 そんな中、長尾さんが仲宗根さんについていく決め手となったのは「楽しさと仕事がクロスする方を選ぶ」という考え方だった。長尾さんは「Soneは自分には無いアイディアを持ち方向性を示してくれる。それが時には突拍子も無いアイディアだったり、コストが物凄くかかることだったり…。でもそれが自分にとっては「楽しさ」に繋がることだった」と話す。

 独立という道を選んだ仲宗根さんに長尾さんが加わり「共同経営」という形で新たな船出を選んだのだ。

「Room Hair Salon」HPより
Print Friendly, PDF & Email
次ページ:

1

2 3

関連記事

おすすめ記事

  1.  初めて出場した九州地区大学野球選手権南部九州ブロック決勝トーナメントで初勝利を納め、準決…
  2.  奄美大島勢初の快挙。第149回九州高校野球鹿児島大会(県高野連主催、朝日新聞社など後援)…
  3. 「率直に言うと、玉城デニー知事のコロナ対応は失敗に他なりません」 そう厳しく批判するのは、…
  4. 「沖縄県内のとある小学校のミニバスケットボールチームの話です。大会で勝ち上がって県外遠征試…
  5.  新型コロナウイルス患者が適切な治療を受けられずに在宅で死亡するケースもある中、沖縄県北部…
琉球海運_広告国場組大寛組前田鶏卵
大寛組琉球海運_広告国場組前田鶏卵

特集記事

  1.  11日に東京都内であったプロ野球の新人選手選択会議(ドラフト会議)。沖縄出身選手では亜細…
  2. 「率直に言うと、玉城デニー知事のコロナ対応は失敗に他なりません」 そう厳しく批判するのは、…
  3.  地球温暖化に対する危機感はいまや世界中で共有され、2015年のパリ協定を契機に、…
ページ上部へ戻る ページ下部へ移動 ホームへ戻る 前の記事へ 次の記事へ