鶏に優しい“平飼い”養鶏場、21歳大学生が起業 うるま市

 

「うるまの平飼い卵」ブランドが誕生

 現在、宮崎さんの養鶏場では120羽の鶏を飼っており、今後1000羽を目指している。鶏に優しい環境の中で、目の前のものをついばむ、自由に羽を広げる、止まったり、木に乗って寝たり、鶏たちは、動物本来の習性に基づきながらのびのびと過ごしている。

 また、餌には、うるま市内の工場で微細粉末加工したシークヮーサーパウダーをブレンドしている。皮や種まで無駄にしないため、より多くの栄養素を残しつつ、エコの視点も意識した。平飼いの鶏にはストレスがかからないため、卵がより健康的であることも特徴だが、餌の栄養成分にもこだわり、人の健康への優しさも兼ね備えている。

 こうして「鶏にやさしい」「環境にやさしい」「人にやさしい」という優しさとこだわりが詰まった「うるまの平飼い卵」というブランド卵が誕生した。現在、徳森養鶏場の直売所カフェ「ゴールドコーストたまごや」やインターネットの購入型クラウドファンディングのサービスで販売している。「うるまの平飼い卵」は、瞬く間に県内外から支援の声が寄せられ、購入者が急増、近々、市内の産直所「うるマルシェ」にも出品予定だ。

うるまの平飼い卵(宮崎さん提供)

平飼いの良さを沖縄、日本全国に伝えたい

 今は、沖縄で自身も養鶏に携わりながら、他の養鶏場に経営ノウハウを伝える事業なども展開しているが、今後は平飼いの魅力を伝える活動をしていく予定だという。また「かながわ学生ビジネスプランコンテスト」(神奈川県主催)で宮崎さんが県知事賞を受賞した、養鶏場と料理店をオンラインでマッチングさせて直販を促すサービスも今後開発していく予定だ。平飼いで生産した鶏卵を小売店や飲食店へ直接卸せるだけでなく、ECでの一般販売など多角的に販売する。

 宮崎さんは「養鶏のオンラインビジネスや、他の養鶏業者にマーケティングの知見を提供し、日本の養鶏業界を変えたい。『うるまの平飼い卵』を通して、県内の人に平飼いの良さを知ってもらえる活動をしたい。神奈川に戻ってからも、神奈川県内で養鶏場を経営しながら日本全国に平飼いを普及していきたい。一人でも多くの人が買って良かったと思うような卵を販売したい」と展望を語った。

<EggSmart株式会社>
代表:宮崎将明
本社所在地:神奈川県川崎市宮前区鷺沼2-10-68
沖縄支社:沖縄県うるま市与那城饒辺592
HP:https://eggsmart.jp/

Print Friendly, PDF & Email
次ページ:
1 2

3


関連記事

おすすめ記事

  1.  サッカーJ3のFC琉球が、第2次金鍾成(キン・ジョンソン)監督体制下の初陣を白星で飾った…
  2. 今季から琉球ゴールデンキングスに加入したアレックス・カーク(左から2人目)やヴィック・ローら=16…
  3.  FC琉球の監督が、また代わった。  サッカーJ3で20チーム中18位に沈む琉球は1…
  4. 戦前に首里城正殿前に設置されていたバスケットボールゴールを再現した首里高校の生徒ら=8月27日、那…
  5.  8月12日、浦添市のアイム・ユニバースてだこホール市民交流室は熱気が渦巻いていた。ステー…
宮古毎日新聞

特集記事

  1. 再びFC琉球の指揮を執ることになり、トレーニング中に選手たちに指示を送る金鍾成監督=19日、東風平…
  2. ヴィック・ロー(中央)の入団会見で記念撮影に応じる琉球ゴールデンキングスの(左から)安永淳一GM、…
  3. 沖縄県庁  沖縄県は、地域の緊張を和らげようと、4月から「地域外交室」を設置し、照屋義実副知…
ページ上部へ戻る ページ下部へ移動 ホームへ戻る 前の記事へ 次の記事へ