ボリビアのオキナワから沖縄へ大豆輸出 歴史上初の経済交流

 

 ゆいまーる牧場は、今後も定期的にボリビアのオキナワ農協から月に大豆20トンを輸入し続ける予定だという。牧場で飼料として使い、近隣の農家にも勧めるつもりだ。金城代表は「小牛だけでなく、食卓に並ぶ肉用牛の生産を県内で増やしたい。物流のハンディを乗り越えて、沖縄のブランド牛を増やしたい」と意気込んでいる。

ゆいまーる牧場の肥育牧場(写真:ゆいまーる牧場のFacebookページより)

経済的つながりでオキナワと沖縄を繋ぐ

 オキナワ日本ボリビア協会の比嘉智事務局長(54)は「地球の反対側への輸出はコストなど条件が厳しかったが、大きな第一歩です」と評価した。

 ISHIMA S.R.L社の島袋正克代表は「沖縄出身者が(ボリビアの)オキナワ移住地に入植して67年が過ぎました。沖縄からボリビアに移住して、一度も帰らず亡くなった人もいる。移住者が生産の基礎を作った作物が海を渡り、初めて母県に里帰りします」と喜ぶ。

 今回の大豆輸出は『オキナワから沖縄へ』という思いから実現した。輸出の取り組みについて島袋代表は「商品だけでなく、ウチナーンチュの想いも届けようというプロジェクトです。沖縄の皆さまには移住者の作物を『おかえり』と、温かく迎えて頂ければ幸いです。また、この取り組みへの賛同者が増えることを期待しています」と話した。

 関係者らは「このオキナワから沖縄へ輸出される全脂大豆はビジネスとしてだけではなく、沖縄とオキナワを繋ぐ絆という、大きな意義を持っている」と話しており、これを皮切りに輸出をさらに広げたいとしている。

 ボリビアのオキナワ移住地から沖縄県への輸出は始まったばかり。大豆の直輸入は今後も拡大していけば肥育農家にとって大きな力になるだろう。

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