アートは分断を乗り越えるか 岡本光博展覧会「オキナワ・ステーキ」レビュー

 

 東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会の会長を勤めていた森喜朗氏による女性蔑視発言がさまざまな反応を招いている。「女性の多い会議は時間が長い」「ここにおられる女性の方々はわきまえておられる」と言った森会長の発言に対してSNS上では「#わきまえない女」というハッシュタグをつけて、女性の立場から抗議する運動が展開された。

 一方でこの抗議活動に同調する男性に対する違和感を表明する声も少なからず上がっている。男性中心社会で女性を抑圧してきた強い立場の男性が、その社会を変革しようとするわけではなく、無自覚に反対運動に「連帯」を表明するだけで反抑圧側の顔をしていることに対する反発が起きているのである。(もちろんそのことに自覚的で、これを契機に男性の立場から男性中心社会の見直しを求める運動も立ち上がっている)

 この議論をネット上で見ていて、沖縄の政治状況と全国的な左派政治団体の関係のことが思い浮かぶ読者の方も少なくないのではないだろうか。日常的に抗議活動に老若男女が集まり、選挙となれば革新系の候補が勝つことが多い沖縄の事情をして、本土で生活する人々から「沖縄は民主主義の希望である」と言うような羨望混じりの評価が下されると、(本土に住む)マジョリティでありながら永田町の政治を変えることができていない自分自身の立場を棚に上げて、沖縄の運動に過剰な期待をすることに対する反発と構造が似ている。

 内外の様々な団体と情報交換や人材交流をして、運動の強度を高めることを否定するものではないが、直接的な当事者でない者が沖縄を語る際に歴史的背景や県民感情に十分配慮しないと、思わぬ対立構造が生んでしまうことが多々ある。

アートが摩擦を起こすとき

 政治運動に限らず、表現活動が心情的なすれ違いを起こすことも度々ある。

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