卒業前に地域貢献!自作の消毒液台、施設に寄贈 美里工業生

 

 沖縄市の県立美里工業高校機械科では、この春卒業を迎える3年生13人が地域の役に立ちたいと、手指を消毒するためのアルコールスタンドを製作した。スタンドの足元にあるペダルを踏むとボトルのノズルが押されて消毒液が出てくるという仕組みだ。地域の施設に寄贈する一方で、後輩たちにも製作を引き継いでもらおうとクラウドファンディングに挑んでいる。

ロボコン県7連覇を目指すはずが

 アイディアロボットコンテストの県大会6連覇。美里工機械科チームは、現在の3年生たちも先輩たちの偉業を受け継ぎ7連覇を目指していた。しかし去年秋の県大会はコロナ禍で中止に。チャレンジの場にすら立てなかった生徒たちが、自らを奮い立たせるように挑んだのが”アルコールスタンド”の製作だ。

 授業での課題研究をきっかけに試作を重ねた結果、手を使わずに済む足踏み式のアルコールスタンドを完成させ、地域の高齢者や小さな子どもたちの役に立てばと近隣の病院や保育園など10カ所に贈呈した。

改良を重ね再贈呈

 生徒たちの活動は贈呈しただけでは終わらず、各施設でアンケートを取った上で、例えば保育園では想定より子どもたちの背丈が小さかったり、逆に年長組ではスタンドの方が小さかったりした。そこでネジを使い、取り外しや組み立ても簡単にでできるように、またスタンドの胴部分が伸び縮みするように改良し、使いたい高さに調節できるような改良を施して再度寄贈するなど、工業高校生ならではのこだわりで喜ばれた。

 3年生たちからは「子どもたちが(足踏みペダル式の)スタンドを珍しがって、進んで手指の消毒をしてくれたという感想もあり嬉しかったです」という声が上がった。一方で「(ペダルを)踏みすぎると消毒液が出すぎてしまい、減るペースが速くなってしまうという回答もありました。後輩たちにはさらに改良してもっと良いものを作って欲しいです」と話してくれたメンバーもいた。

来年度以降に向けクラファン実施中

 ぜひ来年度以降も継続して欲しい取り組みだが、製作資金が底をついてしまったため、学校では支援者を募るクラウドファンディングをサイト「READY FOR」にて実施している。支援への返礼品は店主の娘が在学中という沖縄そばの人気店「アワセそば食堂」、そして学校近くにあり、”アートかき氷”でも有名な「米八(こめはち)そば」が協力している。高校生の社会貢献を、地域が支えたいという思いは強い。2月17日現在で、すでに目標金額を超える約60万円が寄せられているが引き続き2月26日まで受付を行う。

 卒業を間近に控えた美里工業機械科の3年生たちは、今年のロボットコンテストに挑む予定の後輩が忙しくなり過ぎないことを願いつつ、感謝の気持ちを地域に届け、その喜びや反応がモチベーションとなった経験がつながればと考えている。

〇クラウドファンディング美里工業ページ
(美里工業機械科 スタンド製作動画も掲載)
https://readyfor.jp/projects/misato-tech

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