琉球の川シリーズ① 琉球きっての政治家「蔡温」と「安里川」
- 2021/2/14
- 社会
今でも実際に那覇の松川には、真嘉比川と安里川の合流地点付近に茶湯崎村に由来する「茶湯崎橋」と言われる橋と、「指返橋(サシカエシバシ)」という、読んで字のごとく川水路において指し返す場所になっていたという事に由来する橋が存在している。
これがどういうことかというと、川から海へと繋がる潮位をうまく利用し、海が満潮になる頃には満ち潮に乗って上流へ向かい船を漕ぎ、潮が引く頃には引き潮に乗って下流へ下ることを意味する。いわば現代にまで残る橋の名前からも、当時は川の水路を使って那覇から松川、金城あたりまで船で移動していたとの証明でもある。
そして昨今においても、安里川では潮の満ち引きが大きく働いているのではないかという面白い現象も見受けられる。そう、安里川、蔡温橋付近まで上ってきて発見されるサメである。海の生物であるサメが淡水であるはずの川まで上ってくるということは、やはりある程度のところまで潮が上って来ている事実を物語る。
それからもうひとつ面白いのが、その指帰橋であったり、蔡温橋であったり、泊高橋だったり、沖縄の結構主要な橋付近の水位状況をネット上からライブ映像で見られるようにもなっている。まずはそちらを見てみるだけでも面白いはずだ。
このような先人たちの様々な知恵や技術が結集し、現代では川の氾濫が滅多に起きない平和な時代を過ごさせてもらっているわけなのだ。そういった部分にも感謝しながら、今後は川を眺めてみるのもいかがだろうか。するとそんな大事な川に、ゴミなど投げ捨てる気にもならないはずだ。