沖縄初のシングルモルトウイスキーの魅力
- 2021/2/11
- 食・観光
「許田カスクストレングス2020」は、英国産のピート麦芽を原料とし、2017年に自社で仕込み・蒸留を行ったモルトウイスキーをオーク樽で3年間熟成し、アルコール度数は樽出しのままの60.9%を保った、加水なしの「カスクストレングス」。日本では珍しいピートモルトを使用し、スモーキーな香りと奥行きのある味わいに仕上げた。
さらにノンチルフィルタード(樽熟成の香味を保つため冷却ろ過しない製法)、ノンカラード(着色料不使用)にもこだわり、熟成による天然の琥珀色と芳醇な香りが楽しめるジャパニーズウイスキーが完成した。
おいしいウイスキーの「4原則」
「許田カスクストレングス2020」が全国から引き合いになったのは、ヘリオス酒造だからこそ実現する樽熟成技術と、先代から受け継がれた酒づくりへの情熱にあった。
まずなによりも、ウイスキーマニアを唸らせる4大条件といわれる「シングルモルト」「カスクストレングス」「ノンチルフィルタード」「ノンカラード」が揃っていることが、高い評価のポイントだ。この4大条件が揃うウイスキーはもれなく希少価値が高いとされ、条件を満たすジャパニーズウイスキーは軒並み品切れ状態、もしくはオークションサイト等に高額で転売されている。また「シングルモルト」自体のレアさに加え、100%3年熟成の原酒のみを用いていることも希少性に拍車をかけている。
4大条件を満たすことは容易ではなく、熟練の樽見極め・熟成技術が必要不可欠だ。樽はひとつひとつ性格が違っているといわれており、ひとつとして同じ樽はないことから樽の見極めや熟成技術は1日2日で磨かれるものではないのだという。
父である先代から「どんなにお金がなくても、酒だけはいいものを呑め」と言われてきた2代目社長・松田亮(まつだりょう)氏は、何年もかけて研究を重ねた末、樹齢70年以上の北米産ホワイトオークの新樽を使い、熟成を行った。さらに熟成期間中は、松田氏とヘリオス酒造で樽熟成技術を磨いてきたマスターブレンダー照喜名重智(てるきなしげとも)氏がチェックを重ね、絶妙なバランスでの熟成を実現した。