浦添市長選WEB公開討論会詳報(下)JCI浦添主催

 

松本氏「これも(市議会で)何度もお答えしてきた話なんですけれども、県や国や那覇市が『浦添市の苦しい状況は分かるけれども、全体的な視野の中から那覇港湾整備を進めていく。そのためにも、沖縄県全体の発展のためにも、どうしてもどうしても浦添市に移設してほしい』と言っているから、私たちは受け入れた、ということなんです。伊礼さんはいつも私に責任転嫁するなと言いますけど、私に責任転嫁するのではなくて、ぜひみなさん、県政与党だったわけですから、なぜ県知事や那覇市長さんは浦添への移設を望んだか(と追及しなければならないのでは)ということなんです。私は、軍港を持ってくることが市益を最大化させるとは言っていません。『こういう苦しい状況や枠組みの中でも、市益を最大化するために何ができるのかということを、難しい現実の中で考えていかなければならない』ということなんです。そして、ここがとても大切です。浦添市にとってはマイナスかもしれません。でも県や那覇市、全体を見れば大きなプラスになると判断しているということを受け止めたんです。このまま分断していくわけにはいきません。どこかで折り合いを付けなければなりません。みなさんが応援してきた県知事や那覇市長の熱い思いも、私たちは受け止めながら前に進めなければいけない。それが現実の市長の仕事だということなんです」

伊礼氏「浦添市にとってはマイナスだけれども、県や那覇にとってはプラスになるから受け入れたというふうに言っていますね。市民の命や暮らしや民意を諦めたということでしょうか。軍港を造ることについては、そういった小さな枠組みではなくて、沖縄県全体、日本全体、アメリカを動かしていくんだという気概を持って市長として取り組むことが必要だと思っています。(私は)米軍基地の存在自体が経済発展の最大の阻害要因だと考えていますが、市長はそうではないのでしょうか」

松本氏「これも何度も繰り返し説明してきました。浦添に軍港を造ることはマイナス以外の何物でもないと思いませんか。これがプラスだと思って受け入れているわけではないんですよ。ただ、浦添市に軍港を造るということは、那覇軍港が返って来るということなんです。『全体を見て、みんなの発展のために浦添市さん、一肌脱いでください』というのが、県知事と那覇市長の主張なんです。『いかなる選挙結果が出ても計画通り進める』という考え方なんです。ですので私たちは、その中で考えていかなければならない。『松本市長は浦添にマイナスなことをやるのか』と言うが、そんなことやりたくありませんよ。しかし、それができない現実のリアルな政治社会の中で行われている判断だから、私たちは『苦渋の決断だ』と言っているんです。軍港が来ることがプラスだと考えている市民は一人もいません。ましてや望んでいる人はいません。沖縄県の願いを苦渋だけども受け止めていく代わりに『浦添のことも考えてくださいよ、キンザーの跡地も考えてくださいよ、みんなで力を合わせて浦添の発展にお力を貸してください』ということを約束しているので、今、国も県もそうしようと。那覇市も、那覇軍港の返還跡地計画を進めているんですよ。繰り返しますが、軍港移設も認めて進めざるをえなかった、ということでございます」

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