浦添市長選WEB公開討論会詳報(上)JCI浦添主催

 

 2つ目はキャンプキンザーと西海岸開発について。返還予定のキャンプキンザーは那覇新都心の約1.4倍の広さです。自然を生かしたまちづくりをして経済発展を進める新都心をも超える可能性があります。県の試算では直接経済効果が現在の約13倍の約2600億円、雇用誘発人数は現在の約14倍の約2万5千人になるといわれています。その目の前に軍港が来てしまったらどうでしょうか。経済発展も進めることはできません。西海岸開発はキャンプキンザーの返還が決まる前に進められた計画です。現在は返還が決まり、前提が変わっています。海を埋め立ててしまうと、取り戻すことができません。西海岸の海は生物多様な、本当に貴重な海です。那覇港における物流の推計値やそれに基づいた港湾の面積計上が示されていない中で、拙速に西海岸開発についても判断できないということです。

 3つ目はコロナ対策の問題について。今、不安定な働き方のために、何かあったら暮らしが成り立たない、という政治が作り出した社会構造があります。市民のみなさんの暮らし、命を守る立場で浦添市は進めなければなりませんが、まだまだ不十分です。お隣の那覇市では県の協力金給付を受けた市内の飲食店などに上乗せ給付を行っています。このような対策が求められていると思います。菅政権と一緒で、自民党や公明党から推薦されている現市長では、市民の命と暮らしを守り抜くことはできないと考えています」

松本氏「浦添市が今抱える課題は、まず何と言ってもコロナの中でどうやって生命と健康を守るかです。これが第一の優先です。とにかくまずは命。そこから守っていかなければならない。私たちの大切な命や健康をどうやって守っていくのか、それが最初の課題となっています。

 2つ目は、コロナによって健康だけではなく、私たちの暮らしも経済も大きな影響を受けています。その影響は、弱いところから始まっているんです。例えば小さな事業所、小規模企業、正規雇用でない方、パートタイマーの方、あるいは一人親家庭、そして子どもたち。いろんなところにその影響が出ています。暮らしと経済をどうやって守っていくのかが大切です。もしかしたら、コロナという病気よりも、経済的な課題の中で苦しんでいる方が大勢いらっしゃいます。経済をどうやって取り戻していくのかが2つ目の課題です。

 そして3つ目の課題は那覇軍港と西海岸開発です。那覇軍港問題は一生懸命私もやってきましたけれども、今、沖縄県、那覇市、那覇港管理組合、そして米軍、国の立場がある中で、浦添市だけでは決められない問題です。『位置を移動してくれ』『軍港そのものを市民は求めていない』ということを伝えて参りましたが、それもままならない。その中で次の課題として、軍港は譲ったとしてもどうやって埋め立て面積を小さくし、時代に求められた西海岸開発があるべきなのかと。古い計画は新しいものに変えていかなければならない。私たち(浦添市)は民港部分の変更を求めているところです」

それらの課題の解決方法

松本氏「PCR検査を拡充していきたいと思います。PCR検査をやみくもに広げればいいという考えとは違って、どうやって効果的な検査を拡充していくか。PCR検査をやるためには人材もお金も必要です。どういう広げ方をするのが効果的な予防策になるのかということをしっかりと調べた上で、進めていきたいです。もう一つは春に予定されるワクチン接種です。たくさんの方にスムーズにワクチン接種していくためには、練り込まれた計画が必要です。まずは命を守る。

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