20年入域観光客、復帰後最大の落ち幅に
- 2021/1/26
- 経済
県文化観光スポーツ部(渡久地一浩部長)は26日、2020年の入域観光客数は前年比63.2%(642万7300人)減の373万6600人だったと発表した。新型コロナウイルスの感染拡大の影響により、沖縄国際海洋博覧会後の1976年(前年比72万1951人減、46.3%減)を超えて、復帰後最大の減少となった。
沖縄への入域観光客数は、19年には1016万3900万人と初めて1000万人の大台を突破していた。しかし、20年は1月が前年同月比3.4%減だったものの、2月以降は新型コロナウイルスの影響で大幅に減少し、その後はGoToトラベルなどで持ち直しの動きもみられたものの低迷が続く展開となった。
入域観光客数の内訳は、国内客が前年比51.9%減の347万9700人、外国客は同91.2%減の25万6900人。国内客について、県は「20年4月、5月は国や県から緊急事態宣言が発出されて旅行自粛要請があった。ハイシーズンの8月から9月上旬にかけては、2度目の県緊急事態宣言が発出され、県外からの慎重な渡航が呼びかけられたことなどから、前年を大きく下回った」と分析している。
クルーズ船の寄港増加などで19年には293万人を記録した外国客について、県は「20年1月下旬から新型コロナウイルスの影響によりクルーズ船の寄港キャンセルが相次ぎ、3月下旬からは全ての航空路線が運休し、急激に外国客が減少した。同年4月からは、日本への入国制限措置の影響で外国人観光客が皆減となっている」と指摘した。
県庁での会見で、渡久地部長は「これまで最大の落ち幅だった76年を上回るなど、復帰後で最も深刻な状況となっており、重く受け止めている」と述べた。また、「国の緊急事態宣言の発出、GoToトラベル停止など制約があり、沖縄自体も緊急事態宣言を出し、域内需要喚起策にブレーキがかかっている。今後の動向も大変厳しい状況だと認識している」と述べた。
観光業界の支援については、「感染状況の鎮静化、国のGoToトラベル再開など、時機を逸することなく需要喚起策を実施していきたい。再開に向けたオンライン体験ツアー造成の相談窓口設置によるサポート体制なども考えている」との考えを示した。
21年の見通しについて、県は「国内客は、新型コロナの感染状況やGoToトラベル事業の実施状況などに大きく影響される。外国客は、春ごろまでは観光目的での入国制限措置が講じられる見込みであり、少なくとも年当初は厳しい状況が予想される」とした。
(記事・写真・図 宮古毎日新聞)