売上高が前年度比2倍超、営業損失は縮小 JTA中間決算

 
2023年3月期の中間決算を発表するJTAの野口望社長=1日、那覇市のJTA本社

 日本トランスオーシャン航空(JTA、野口望社長)は1日、那覇市泉崎の本社で会見し、2023年3月期の中間決算で、売上高は前年同期比2倍超の159億円だったと発表した。営業損失は前年度同期の51億円から9億円、経常損失は同50億円から10億円に、それぞれ赤字を縮小した。野口社長は、売上高が19年対比で約70%となり、回復傾向にあるとの認識を示した。

 同社は、上半期の業績を踏まえて、東京を中心とした首都圏から那覇、宮古・石垣への離島直行便が非常に好調に推移している一方で、地方発の沖縄線に関しては、まだ回復途上にあると分析。さらに、ビジネス需要や生活需要の変化についても触れ、特にビジネス客がまだまだ動いていないと指摘した。

 野口社長は、出張自体が減っている可能性についても言及し、変化を注視する必要性を強調した。

 営業費用は運行便数増や為替の影響などにより前年比で40億円増加したものの、売上高は旅客数が同2倍に増えたことにより同82億円増加したことで、営業損失は前年より大幅に改善した。

 売上収益のうち8割を占める旅客収入は、前年同期比2.2倍となる129億円。貨物・郵便収入は、同8.4%増の8億円、付帯事業収入は同1.4%増の6億円だった。

 先行きについて、野口社長は円安や原油価格高騰などの不確定要素はあるとしながらも、全国旅行支援が再開された10月以降の需要増を踏まえ、通期決算に向けては「足元の需要はかなりの勢いで回復してきている。少なくとも黒字化は十分に見通せる状況」との認識を示した。

 また、円安や原油価格高騰などを踏まえた運賃改定の方針については「現時点では予定していない」と述べた。

 主要路線となる宮古・石垣線については「われわれは、離島を盛り上げていくことは一つの使命だと思っている。夏場だけではなく、年間を通して観光需要を盛り上げていきたい」と力を込めた。

 今後の戦略については、プロモーション強化に加え、年末年始など一時的に需要が伸びるところでは、増便して供給を増やして対応していくとしたほか、社員一丸で経費削減に取り組んで結果として、「体質強化につながっている」と評価した。

(記事・写真・図 宮古毎日新聞)

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