「単年度の黒字化がそれほど後ろ倒しになる要素はない」下地島空港会社・伴野賢太郎社長インタビュー

 

宇宙ビジネスとの相乗効果も

――空港自体の活性化はどう進めますか?

伴野 もともと沖縄県に話をしたのは、宮古空港が混雑空港なので、宮古に乗り入れていない航空会社を誘致するということ。そして国際線を受け入れる、プライベートジェットを入れる。この3つが柱だ。国内線、国際線はターミナルをつくりスタートした。プライベートジェットについては、開業1年目の19年は月に1,2本あればいいほうだったが、20年に入ってからは多いときで月4本。さらに増えてきたら、いまの旅客機の建屋でいいのかという話になる。損益を見ながら次に取り組むのはそれだ。

 旅客便の誘致はもちろんだが、実は(パイロット養成空港でもある)下地島空港への訓練フライトの誘致もしている。例えば我々が海外のエアラインと交渉しているとき、飛行機を飛ばしてくださいというほかに30秒あったら、「パイロットの訓練もできますよ」と話をする。

 そうした会話からキャセイパシフィックの訓練をひっぱってきたのはうちの営業担当だった。訓練で飛んでくるときに「無人ではなく人を乗せてきたらどうですか」といった提案もしている。訓練フライトのついでにチャーター便を組んで飛んできて、その機材で何日か訓練して、帰りにまた人を乗せる。そうした提案もやっていきたい。

――下地島エアポートマネジメントは開業したばかりでまだ赤字会社ですが、黒字化への展望は?

伴野 黒字化には人を増やすしかない。単年度の黒字化でいうと、そんなに後ろ倒しになる要素はない。いま7便の定期便がはいっていて、コロナが終わったら普通に飛ばしてくれるものと思っている。

 2年目で7便というのは、当初の計画より多い。国際線は営業ができていないが。国内線の交渉はできる。いま成田、羽田、関空、神戸、那覇を結ぶ路線があるが、中部、九州はどうなんだと。それから那覇便はほんとに2便だけなのかと。これに対する答えはだしきっていない。

 国際線はソウル(仁川)、上海、香港、台湾(台北)をファーストターゲットにしているが、実現したのは香港。台湾と韓国はチャーター便がきた。第一ターゲットのグループにとどまらず、ウラジオストックなどロシア極東、シンガポールも視野に入る。三菱地所とエアポートの営業部隊で誘致を進めている。

――名古屋のPDエアロスペースが下地島で宇宙旅行のビジネスを展開すると発表して、県と合意しています。相乗効果はありますか?

伴野 もしPDがうまくいったら、下地島の認知度、知名度があがるので大きなプラスになる。宇宙関連を目的に島に来る人もいるでしょうし、宇宙旅行には富裕層が来る。その方々はプライベートジェットで来る。宇宙事業は裾野が広いので、宇宙関連事業のビジネスがスタートすれば島の経済全体の底上げになるし、人の往来が増える。スーパーヨットを楽しむ富裕層もプライベートジェットで飛んで来る。彼らが宿泊する場所、食事も提供しなければならない。そこにはなるべく地元の産品を使ったほうがいいし、カードはそろっている。

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森 創一郎

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1972年生まれ。東京出身。出版社、雑誌社、地方放送局勤務を経て2020年7月に独立。主に経済、交通分野で執筆活動を続けている。私生活では山を愛し、時間をみつけては登山に勤しむ。

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