「単年度の黒字化がそれほど後ろ倒しになる要素はない」下地島空港会社・伴野賢太郎社長インタビュー

 

 宮古島の観光を占う上で、下地島空港の成否はカギを握ると言われている。世界中の観光産業がコロナ禍に苦しむ中、下地島空港の現状はどうなっているのか。運営会社である下地島エアポートマネジメントの伴野賢太郎社長に聞いた。

――コロナ禍で2020年度の業績はどのようになりますか?

伴野 正直に言って読みづらい。20年は2月の途中から香港エクスプレスが運休し、4月の緊急事態宣言発令でかなり厳しい措置となった。もろもろの環境を踏まえてジェットスターは緊急事態宣言中に運休し、下地島に定期便は一切飛ばないことになった。そのあいだはターミナルも休館することにした。

 ただ、緊急事態宣言が解除され、香港線は飛ばなかったが、ジェットスターが再開してけっこう利用客数が伸びた。ところが、8月に沖縄県が独自に緊急事態宣言を出してそこでがくっと落ちた。それが8月末に解除され、9月、10月、11月は右肩上がりだった。7月はいい数字で、沖縄の緊急事態宣言が解除された9月はお客さんがいっぱい、10月は本当にいっぱいきてくれた。

 それでも、ジェットスターさんは会社全体でリストラをしているので、10月の冬ダイヤから「申し訳ないですが」ということで(運休となり)、年末年始だけ飛んだ。そのジェットスターの運休と入れ替わりでスカイマークに羽田、神戸、那覇便を飛ばしてもらった。国交省の申請ベースでは全社で7便あるが、これがそろったことがない。

――スカイマークは1月7日から那覇線を減便しました。

伴野 那覇線は生活路線で、いま移動がすごく減っている。(宮古空港の)JTA、ANAも減便している。それでも今年度の実績は去年より行くと思っている。ただ、緊急事態宣言再発令の解除が遅れると、多分、去年の実績まではいかない。11月後半から12月あたまに首都圏で感染者が増え、ロードファクターが悪くなっているのは事実だ。

 しかし、我々の計算だと、香港エクスプレス、ジェットスター、スカイマークで全便がそろえば相当な数のお客さんになる。スカイマークが177人乗り、香港とジェットスターが180人乗りだが、仮に来年4月からの夏ダイヤで香港との往来が始まり、いま申請している路線を各社が来年も申請すると、来年は70万人の搭乗者になる。

Print Friendly, PDF & Email
次ページ:

1

2 3

関連記事

おすすめ記事

  1.  サッカーJ3のFC琉球が、第2次金鍾成(キン・ジョンソン)監督体制下の初陣を白星で飾った…
  2. 今季から琉球ゴールデンキングスに加入したアレックス・カーク(左から2人目)やヴィック・ローら=16…
  3.  FC琉球の監督が、また代わった。  サッカーJ3で20チーム中18位に沈む琉球は1…
  4. 戦前に首里城正殿前に設置されていたバスケットボールゴールを再現した首里高校の生徒ら=8月27日、那…
  5.  8月12日、浦添市のアイム・ユニバースてだこホール市民交流室は熱気が渦巻いていた。ステー…
宮古毎日新聞

特集記事

  1. 再びFC琉球の指揮を執ることになり、トレーニング中に選手たちに指示を送る金鍾成監督=19日、東風平…
  2. ヴィック・ロー(中央)の入団会見で記念撮影に応じる琉球ゴールデンキングスの(左から)安永淳一GM、…
  3. 沖縄県庁  沖縄県は、地域の緊張を和らげようと、4月から「地域外交室」を設置し、照屋義実副知…
ページ上部へ戻る ページ下部へ移動 ホームへ戻る 前の記事へ 次の記事へ