海外にも首里城、県系人の活動拠点 焼失から1年、各地で再建願う
- 2020/12/22
- 社会
そして、那覇市は今年10月、サンビセンテ市職員として姉妹都市交流促進に尽力をしてきた故・イハセイテツさんに国際親善栄誉賞を授与した。イハセイテツさんは、サンビセンテ市と那覇市の相互訪問でサンビセンテ市長に随行するなど、長年にわたり交流の窓口として貢献し、守礼門を建設するなど尽力してきたが、今年9月に新型コロナウイルスに感染し、復元した首里城の姿を見ることなく、65歳で亡くなった。空から両市の発展をいつまでも見守り、首里城の再建も見守っていてほしいと願う。
アルゼンチンの守礼門、人気の観光スポット
アルゼンチンのブエノスアイレス市内にあるJardin Japones (日本庭園)。約3万人住んでいる日系人の約8割が沖縄県系であり、日本庭園では守礼門など沖縄の雰囲気が垣間見れる。守礼門の側には「全沖縄県移住者の方々へ敬意と感謝を込めて」と書かれた説明看板もある。
日本庭園は、家族連れでマテ茶を片手にピクニックをしている人など市民の人気の散歩コースや観光スポットとなっており、イベントも多く、季節にちなんだ行事や日本文化の紹介も行なっている。また、日本風の橋があったり、こけし、ダルマ、雛人形などの日本の工芸品が飾られたり、折り紙で作られたお土産も販売されたりしている。
さらに、ブエノスアイレス郊外には、沖縄出身者や沖縄県系人らの沖縄祭りをはじめとする行事やイベントの開催地となっているレクリエーション施設「うるま園」に、守礼門をモチーフに建てられた正門がある。アルゼンチンにおいて、首里城や守礼門は沖縄を象徴するシンボルでありながら、日本を代表する建築物となって親しまれている。
ボリビア、ペルー、アメリカにも首里城や守礼門
また、沖縄県と姉妹友好都市であるボリビアのサンタクルス州にあるコロニア・オキナワにも、守礼門をモチーフにした日本食レストランや首里城の幕が飾られた会館がある。ブラジルと同じく、アルゼンチン、ボリビア、ペルー、アメリカでも、沖縄関係の行事の際は、必ずといっていいほど、首里城の幕が設置され、県系人の活動を見守る存在となっている。