海外にも首里城、県系人の活動拠点 焼失から1年、各地で再建願う
- 2020/12/22
- 社会
ボリビアに住み、これまで3回首里城を訪れたことがある長嶺勉さんは、「ニュースで燃える首里城を見たときは、まるで映画のワンシーンのように感じました。テレビで沖縄のおばぁの悲しむ顔を見て、すごく胸が痛くなり、沖縄戦で辛い経験をした私の祖母を思い出しました。再建の際には、王国時代の衣装を着けたマネキンを外庭に置くなど、更に工夫のある首里城を期待する」と話した。
一体となって母県を助けたい
首里城焼失から1年が経過した今もなお、県内、国内外では寄付活動が続いている。戦後は、食糧難に陥っていた故郷を救おうと、北米や南米に住むウチナーンチュらは募金活動を展開し、多くの物資を届け、沖縄の経済復興に貢献してきた。首里城火災においても「母県を助けたい」と世界各地で県系人らが中心となって寄付活動を展開し、沖縄で何かあったときは、すぐさま行動し、時には隣国同士で協力して支援を続けてきた。
沖縄の行事やイベントなど人が集まる場に首里城が飾られ、様々な場所に守礼門があり、県系人の活動を側で見守っている。コロナ禍の影響で来年予定していた「第7回世界のウチナーンチュ大会」は再来年に延期となったが、海外に住むウチナーンチュらにとって復元した首里城を見るのはひとつの夢となっている。海外からも首里城再建を祈る声が沖縄にも届いていることを願い、1日も早く、首里城の姿を目にする喜びを、分かち合いたい。