大宜味出身の「世界の牡蠣王」

 
大宜味村の塩屋湾に建つ頌徳碑

 沖縄もすっかり冷え出し、冬を迎える準備に入った今日この頃。この時期旬な食材と言えば、牡蠣を忘れるわけにはいかないだろう。

 新鮮な生牡蠣は、遠く広島や東北の岩手・宮城といったイメージが強いかと思うが、実はここ沖縄の大宜味村と日本の牡蠣には、ものすごく深い関わりがあるのである。大げさな言い方をすれば、大宜味無くして現在の「牡蠣大国JAPAN」は存在しなかったかもしれない!と言わしめるほどの関係性なのである。

 これからのシーズン、牡蠣を食す機会も増えてくると思うので、こちらの話を紹介していこうと思う。

宮城新昌と垂下式養殖法

 琉球処分から間もない1884年、大宜味村に一人の男の子が誕生した。名は「宮城新昌(しんしょう)」。その宮城新昌、大宜味から国頭農学校を卒業し一路アメリカへと渡っている。

 まずはハワイにてサトウキビなどの農業関連の職種に携わった後、アメリカ本国へ渡りオイスター会社へ務めることとなる。オイスターとは言わずと知れた牡蠣のことだ。そこで初めて彼は牡蠣の養殖というものに出会い、その将来的な有望性を直感し、カナダの水産会社を経て帰国後、神奈川県内にて養殖会社を設立・研究を始める。

次ページ:

1

2 3

関連記事

おすすめ記事

  1.  サッカーJ3のFC琉球が、第2次金鍾成(キン・ジョンソン)監督体制下の初陣を白星で飾った…
  2. 今季から琉球ゴールデンキングスに加入したアレックス・カーク(左から2人目)やヴィック・ローら=16…
  3.  FC琉球の監督が、また代わった。  サッカーJ3で20チーム中18位に沈む琉球は1…
  4. 戦前に首里城正殿前に設置されていたバスケットボールゴールを再現した首里高校の生徒ら=8月27日、那…
  5.  8月12日、浦添市のアイム・ユニバースてだこホール市民交流室は熱気が渦巻いていた。ステー…
宮古毎日新聞

特集記事

  1. 再びFC琉球の指揮を執ることになり、トレーニング中に選手たちに指示を送る金鍾成監督=19日、東風平…
  2. ヴィック・ロー(中央)の入団会見で記念撮影に応じる琉球ゴールデンキングスの(左から)安永淳一GM、…
  3. 沖縄県庁  沖縄県は、地域の緊張を和らげようと、4月から「地域外交室」を設置し、照屋義実副知…
ページ上部へ戻る ページ下部へ移動 ホームへ戻る 前の記事へ 次の記事へ