大宜味出身の「世界の牡蠣王」

 
大宜味村の塩屋湾に建つ頌徳碑

 沖縄もすっかり冷え出し、冬を迎える準備に入った今日この頃。この時期旬な食材と言えば、牡蠣を忘れるわけにはいかないだろう。

 新鮮な生牡蠣は、遠く広島や東北の岩手・宮城といったイメージが強いかと思うが、実はここ沖縄の大宜味村と日本の牡蠣には、ものすごく深い関わりがあるのである。大げさな言い方をすれば、大宜味無くして現在の「牡蠣大国JAPAN」は存在しなかったかもしれない!と言わしめるほどの関係性なのである。

 これからのシーズン、牡蠣を食す機会も増えてくると思うので、こちらの話を紹介していこうと思う。

宮城新昌と垂下式養殖法

 琉球処分から間もない1884年、大宜味村に一人の男の子が誕生した。名は「宮城新昌(しんしょう)」。その宮城新昌、大宜味から国頭農学校を卒業し一路アメリカへと渡っている。

 まずはハワイにてサトウキビなどの農業関連の職種に携わった後、アメリカ本国へ渡りオイスター会社へ務めることとなる。オイスターとは言わずと知れた牡蠣のことだ。そこで初めて彼は牡蠣の養殖というものに出会い、その将来的な有望性を直感し、カナダの水産会社を経て帰国後、神奈川県内にて養殖会社を設立・研究を始める。

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