コロナ禍のなか本格始動 モノレール3両化の成否は…

 

 ただ、「リーマンショックなど過去の経験から考えると、3年ほどはかかるにしても、いずれ乗客は元に戻る」(同)ということで、3両化のスケジュールに変更はない。しばらくは低迷することも予想される観光需要だが、「ゆいレール」では3月からSuicaなど10カードの交通系ICカードが使えるようになった。スマホの予約で荷物を空港からホテル、ホテルから空港に一律100円で送り届ける「手ぶら観光」のサービスもすでに始まっている。

 さらにモノレール会社は、琉球銀行などと次世代移動サービス「MaaS」の実証実験を21年1月からはじめる。「MaaS」とは、スマートフォンでモノレールやバス、タクシーの予約、決済などを一括でできるようにするものだ。乗り換えの際、それぞれの交通機関でいちいち乗車券を買わなくても乗車できるようになる。

 細やかなサービスを充実させ、利用客の掘り起こしに務めるが、モノレールは当面、厳しい経営状況が続く。ただ、「そうした中でも、モノレールの『次の展開』を描いていく発想も必要だ」と県関係者は指摘する。例えば、”交付金問題”で停滞している、西原町から与那原町にかけての中城湾港マリンタウン地区の大型MICE施設と抱き合わせた「ループ化」だ。

 県内ではモノレールの様々な延伸構想も持ち上がっているが、街づくりと絡めモノレールというインフラ資源を将来に向けてどう活用していくのか。大きなデザインを描いていくことも必要だろう。

Print Friendly, PDF & Email
次ページ:
1 2

3


関連記事

おすすめ記事

  1.  サッカーJ3のFC琉球が、第2次金鍾成(キン・ジョンソン)監督体制下の初陣を白星で飾った…
  2. 今季から琉球ゴールデンキングスに加入したアレックス・カーク(左から2人目)やヴィック・ローら=16…
  3.  FC琉球の監督が、また代わった。  サッカーJ3で20チーム中18位に沈む琉球は1…
  4. 戦前に首里城正殿前に設置されていたバスケットボールゴールを再現した首里高校の生徒ら=8月27日、那…
  5.  8月12日、浦添市のアイム・ユニバースてだこホール市民交流室は熱気が渦巻いていた。ステー…

特集記事

  1. 再びFC琉球の指揮を執ることになり、トレーニング中に選手たちに指示を送る金鍾成監督=19日、東風平…
  2. ヴィック・ロー(中央)の入団会見で記念撮影に応じる琉球ゴールデンキングスの(左から)安永淳一GM、…
  3. 沖縄県庁  沖縄県は、地域の緊張を和らげようと、4月から「地域外交室」を設置し、照屋義実副知…
ページ上部へ戻る ページ下部へ移動 ホームへ戻る 前の記事へ 次の記事へ