「自分本位」から理念の“団結の力”取り戻す キングス、アウェーでFE名古屋に1勝1敗
- 2024/1/7
- エンタメ・スポーツ
プロバスケットボールBリーグ1部西地区首位の琉球ゴールデンキングスは6、7の両日、愛知県の名古屋市枇杷島スポーツセンターで中地区5位のファイティングイーグルス名古屋(FE名古屋)と今季第16節を行った。第1戦は57-68と今シーズン最少得点で敗れたが、第2戦はオフェンスを修正して88-65で完勝した。この2戦では、負傷離脱していたアレン・ダーラムが復帰した。
通算成績は20勝8敗。西地区2位の島根スサノオマジックと3ゲーム差で首位をキープしている。
第1戦は3P成功率「16.0%」に低迷
第1戦は硬いディフェンスとヴィック・ロー、アレン・ダーラムらの得点で第1クオーター(Q)こそ接戦だったが、スリーポイント(3P)の成功率が上がらず前半を28ー40とリードされて折り返した。
第3Qは岸本隆一と松脇圭志が3Pを沈めたり、ジャック・クーリーがゴール下で加点して5点差まで詰め寄った。第4Qもディフェンスで粘って我慢を続けたが、オフェンスのリズムがちぐはぐで最後までシュート成功率が上がらず、わずか57点しか奪えずに敗れた。
最終的なシュート成功率は31.9%(69分の22)で、3Pに至っては16.0%(25分の4)にまで低迷。キングスの平均得点は7日の試合終了時点で80.2点となっているため、57点がいかに少ないかが分かる。
この敗戦を受け、キングスは今シーズン2度目となる2連敗となった。前の試合の仙台89ERS戦も含め、審判のジャッジに不満を溜めてプレーが雑になる場面も散見された。そんなチーム状態を示すかのように、試合後の桶谷大ヘッドコーチのコメントも辛辣だった。
「ディフェンスで直せたところはありましたが、キングスが一番求めているチームとして団結してバスケットをするというところがかなりなくなってしまったと思います。能登半島のああいう状態がある中で、自分たちがこうやって好きなバスケットを続けられて、スポーツで何かが伝えられると思ってるから、こういう状況でもバスケットをやってるんですけど、全てにおいて自分本位になってしまっている。納得がいかないチーム状態になっています」
その上で、次戦に向けて「勝ち負け以前に、キングスに関わってきたみんながカルチャーを繋いできて、こういう球団になってきたというとこをまずしっかり理解した上で、自分たちのやるべきことをやってほしいなというふうに思ってます」と語った。
「自分のことしか考えないのは違う」桶谷HCの“喝”に奮起
迎えた第2戦は序盤から持ち味であるボールムーブメントが復活し、チームで戦う姿勢を体現して第1Qから前に出る。相手の3Pやペイントアタックに対する硬いディフェンスも継続し、42ー31と前日から対照的なスコアで前半を折り返した。
第3Qもボールムーブメントからフリーをつくり、内外から得点を重ねて勢いは止まらず。このクオーターでリードを23点に広げ、一気に勝負を決めた。
ベンチに入った12人全員がコートに立ち、10人が得点を決めたキングス。アシストは前日の2倍となる20本を記録し、シュート成功率は52.3%(65分の34)に改善した。3P成功率も44.0%(25分の11)に達した。
試合後、コートのそばでバスケットLIVEの勝利者インタビューを受けた桶谷HCは、改めて前日の試合後に選手たちに話した内容を明かした。
「昨日はロッカールームで『ふざけんな』ていう話をしました。震災があったりという状況の中で自分たちがバスケをやってて、自分のことしか考えてないという選手だったので、『それは違うぞ』と。チームとして戦うこと、それに尽きる。1人の態度が悪くなったら、それが伝染してしまう。そういうところをマインドセットしてやりなさいという話をしました」
会見では試合について評価した上で、今後も展望した。
「今日は本当にチームとしてオフェンスもディフェンスも、すごく連携が取れたバスケットができたと思います。こういうバスケットをどこが相手でも続けることが大事になる。シーズンは長いので、良い時もあれば悪い時もある。昨日が底辺だと思って、これから上昇していけるようにチームを作っていきたいなと思います」
キングスは10日にある東アジアスーパーリーグのアウェー戦を挟み、17日に西地区3位の名古屋ダイヤモンドドルフィンズとアウェー戦を戦う。