独学でうちなーぐち学び ブラジルから沖縄へ

 

独学での学び方

 「人によって変わるけど、僕の場合は文法が大事だと思う」と語る上間さん。

 「いくら単語を覚えても簡単な文を作れない。動詞や形容詞の活用の仕方をしっかり勉強して、うちなーぐちを聞いて何を言ったのかを主語、目的語に分けて分析する。そのルールをわかれば自分で簡単な文を作れる」「文法が好きじゃない人は、簡単な表現から少しずつ覚えていけばいい。インターネットも有効的。民謡もいい。歌詞を暗記するだけではなくて、何について歌っているかを学ぶのも大事」
 さらに、上間さんは「方言ではなくひとつの言語だ」と熱く語る。「うちなーぐちを学ぶ時に、方言だと思って学ぶと習得は難しい。うちなーぐちは日本語の方言になり日本語がメインになる。実際日本語と違うところがたくさんあって余計に難しくなる。最初から別の言葉だと思うと覚えやすくなる」と話した。

三線で民謡を弾く上間さん

うちなーぐち継承に向けて

 沖縄県では、2006年に毎年9月18日を「しまくとぅば」の日と制定した。その後、「しまくとぅば」を次世代へ継承するため、テレビやラジオでしまくとぅばを学ぶ番組の放送や各自治体がイベントや講座を実施し、様々な取り組みが行われてきた。

 上間さんは、沖縄県内でのうちなーぐちを含むしまくとぅばの普及や継承について「まだまだだと思うが、数年前と比べてよくなっている」と話す。10年前は語学や言語学を学んでいる人が勉強会に参加し、一般人は興味がなかったが、去年から別の層が興味を持ち始め、一般人の意識が変わってきているといい、将来はさらに興味をもっている人が増えると上間さんはみている。さらに「沖縄でも南米でもうちなーぐちだけでなく琉球舞踊、三線、エイサーなどを頑張っている人も多い。そういう活動はうちなーぐちが関わっていてとても大事。お互い励ましあいたい。”一緒に頑張ろう”と言いたい」と鼓舞した。

 また、「自分の先祖のことを大事にして、色々勉強してほしい。自分のようにおじぃに会ったことがなくても、おじぃの故郷の歴史や文化を学ぶと、近くなった気がする。できるだけ学んで、先祖と近づくようにしてほしい」と話した。上間さんの次なる目標は「おじぃの故郷、今帰仁村の言葉を学ぶこと」。勉強会の参加者の紹介で教えてくれる人に出会い、今年9月から今帰仁を行き来して学んでいる。「やっと今帰仁の言葉ができるから嬉しい」と目を輝かせている。

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