キングス、ホームで信州に連勝し「西地区首位」に! 一方で攻守に“課題”あり
- 2023/12/13
- エンタメ・スポーツ
プロバスケットボールBリーグ1部西地区の琉球ゴールデンキングスは9、10の両日、沖縄アリーナで中地区7位の信州ブレイブウォリアーズと連戦を行った。83-81、83-79でいずれも勝利し、連勝を「4」に伸ばした。通算成績は15勝4敗となり、連戦前の西地区2位から首位に躍り出た。
10日の試合後には、アンソニー・マクヘンリーACがキングスでプレーした9シーズンで背負った背番号「5」が永久欠番となったことを受け、記念のセレモニーが開かれた。
2戦目は“大逆転勝ち” 岸本が3連続3P
初戦は信州に高確率でスリーポイントシュート(3P)を決めれて先行されたが、第3Qに入るとジャック・クーリーがゴール下で存在感を発揮し、今村佳太らも内外から得点を挙げて逆転。第4Qにミスから再逆転を許したが、ここでもクーリーや今村の活躍で再びリードし、信州の猛追を振り切った。
2戦目は稀に見る劇的な展開となった。
第3Qまでは一進一退の攻防が続いたが、第4Qに入ると流れをつかまれる。オフェンスで単発なシュートが増え、ディフェンスでは相手のインサイドへの積極的な進入を止められず、開始から9連続得点を許して12点リードされた。その後もなかなか点差を詰められず、時間だけが過ぎていった。
しかし、同じく12点差だった残り2分16秒から、岸本隆一が覚醒する。タイムアウト後に左コーナーから3Pを沈めると、それを機に3連続で3Pをヒットさせて3点差に。さらに残り約50秒で松脇圭志が同点の3Pを決め、最後はヴィック・ローと岸本がレイアップで2点ずつを加点し、4点差で勝ち切った。
試合後、桶谷大HCはマクヘンリーACの永久欠番セレモニーを念頭に「今日は負けられない試合というのもあって、最初からみんなの気持ちが入った試合でした」と振り返った。試合展開については「第2Qの途中からディフェンスが崩れた時間があり、我慢が必要でした。最後にタイムアウトを取った後、そこから連続で3Pシュートが決まったところから徐々に良い雰囲気作りができたと感じます。会場の雰囲気が味方をしてくれて、相手のミスを誘うことができ、逆転できたと思います」と語った。
2戦目の勝利の立役者となった岸本は「まず試合に勝つことができて良かったです。今後自分達が改善するべき点はオフェンスとディフェンス両方にあると感じています。今日は絶対に負けられない一戦だったので、勝利を収めることができてとにかく嬉しいです」と喜びを語った。
チーム力向上のキーマンは「ヴィック・ロー」
半月以上リーグ戦がない期間が続き、12月に再開して以降は4勝1敗となっているキングス。いずれも接戦の展開だが、最終盤で勝負強さを発揮する試合が多く、底力を見せている。
一方で、10日の試合後の岸本のコメントにあったように、攻守ともに課題は多い。信州との2戦では、キングスにとって最大の強みであるリバウンドの本数で相手に上回られた。オフェンスで身上のボールムーブメントが停滞したり、ディフェンスでもピックプレーから崩される場面が散見されたため、チームとしての連係をより深めていく必要がある。
そんな中、キーマンの一人に挙げられるのが今シーズン加入したローだ。
負傷から12月に復帰したものの、なかなか調子が上がらず、信州との1戦目までの3試合は、出場している間の得失点差を示す「+/-」(プラスマイナス)がいずれもマイナスとなった。しかし、先発で出場した信州との第2戦では13得点、6リバウンド、6アシスト、3スティールを記録し、本来の持ち味である万能性を発揮。「+/-」は「+17」の上り、状況判断も改善してきている印象だった。
これから16、17の両日に広島ドラゴンフライズ、20日には長崎ヴェルカと、西地区でしのぎを削る強豪といずれも沖縄アリーナで対戦するキングス。ホームの声援も力に変え、チーム力をさらに高めていきたい。