一部公共交通機関に影響 北朝鮮「飛翔体」発射

 
北朝鮮が「軍事偵察機衛星」と称する飛翔体を発射したことを受け、被害情報や今後の対応策について話し合った県危機管理対策本部会議=22日、沖縄県庁

 北朝鮮が21日夜、「軍事偵察機衛星」と称する飛翔体を発射したことを受け、日本政府は沖縄を対象地域に全国瞬時警報システム(Jアラート)を発令した。県は、22日午前8時半から県庁で危機管理対策本部会議を開き、被害状況今後の対応などについて報告や確認を行った。各部局によると、県内の一部公共交通機関などに影響は生じたものの、被害情報はないという。

 北朝鮮は海上保安庁へ、22日から12月1日までの間に飛翔体を発射することを通知。県は21日、危機管理対策本部会議を設置し、同会議で各部局がすべき対応などについて話し合っていた。

 ところが、北朝鮮は事前通知した期間よりも前となる21日午後10時46分ごろ、飛翔体を発射し、日本政府はJアラートを発令、避難指示を通知した。飛翔体は同日午後10時55分ごろ、太平洋へ通過したとみられ、午後11時15分に避難指示が解除された。

 県は、飛翔体の通過後、宮古島市を含む宮古・八重山5市町村や県警察本部、海上保安庁など各部局から被害情報なしの連絡を受けたという。

 22日の県危機管理対策本部会議では、各部局が所轄する施設などの被害状況の確認が行われ、Jアラートの発令によって、一部公共交通機関に影響があったことが報告された。

 航空便では、那覇空港の地上係員が全員屋内へ退避したことから、東京から到着した最終の飛行機が30分程度にわたり地上待機となった。

 また、沖縄都市モノレール(ゆいレール)は、全線で運行を見合わせ、避難指示が解除された約2分後に運行を再開したとの説明がなされた。

 玉城知事は、「事前に発射期間を通告していたにも関わらず、通告期間前に発射を強行し、沖縄上空を通過するなど、県民に大きな不安を与えたことは大変遺憾と言わざるを得ない」と語気を強めた。

 その上で、「今後とも情報収集にあたるとともに、国、市町村と緊密に連携し、県民の安全、安心の確保に全力で努めていく」と述べた。


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