一部公共交通機関に影響 北朝鮮「飛翔体」発射
- 2023/11/22
- 社会
北朝鮮が21日夜、「軍事偵察機衛星」と称する飛翔体を発射したことを受け、日本政府は沖縄を対象地域に全国瞬時警報システム(Jアラート)を発令した。県は、22日午前8時半から県庁で危機管理対策本部会議を開き、被害状況今後の対応などについて報告や確認を行った。各部局によると、県内の一部公共交通機関などに影響は生じたものの、被害情報はないという。
北朝鮮は海上保安庁へ、22日から12月1日までの間に飛翔体を発射することを通知。県は21日、危機管理対策本部会議を設置し、同会議で各部局がすべき対応などについて話し合っていた。
ところが、北朝鮮は事前通知した期間よりも前となる21日午後10時46分ごろ、飛翔体を発射し、日本政府はJアラートを発令、避難指示を通知した。飛翔体は同日午後10時55分ごろ、太平洋へ通過したとみられ、午後11時15分に避難指示が解除された。
県は、飛翔体の通過後、宮古島市を含む宮古・八重山5市町村や県警察本部、海上保安庁など各部局から被害情報なしの連絡を受けたという。
22日の県危機管理対策本部会議では、各部局が所轄する施設などの被害状況の確認が行われ、Jアラートの発令によって、一部公共交通機関に影響があったことが報告された。
航空便では、那覇空港の地上係員が全員屋内へ退避したことから、東京から到着した最終の飛行機が30分程度にわたり地上待機となった。
また、沖縄都市モノレール(ゆいレール)は、全線で運行を見合わせ、避難指示が解除された約2分後に運行を再開したとの説明がなされた。
玉城知事は、「事前に発射期間を通告していたにも関わらず、通告期間前に発射を強行し、沖縄上空を通過するなど、県民に大きな不安を与えたことは大変遺憾と言わざるを得ない」と語気を強めた。
その上で、「今後とも情報収集にあたるとともに、国、市町村と緊密に連携し、県民の安全、安心の確保に全力で努めていく」と述べた。