「90+4分」で生まれた同点弾の“価値” 残留争いのFC琉球、貴重な勝ち点1

 

両サイドバックが得点、示した意識の「変化」

試合終了後、スタンドのサポーターの下へ挨拶に向かうFC琉球の選手たち

 金監督が就任してからまだ2試合だが、以前よりも全体のラインを上げ、目に見えて前線でプレーする意識が高まっている琉球。福村は「ゴールキックなどリスタートは早く始める。前に、前にパスを出していくという姿勢は変わったと思います」と実感を語る。

 奪った2点を両サイドバックが挙げたことも、より前から仕掛けるという意識の変化を示す証左の一つと言えるだろう。

 柳は「前からプレッシャーをかけ、球際で戦い、特に前半は相手を消耗させていけていると感じました。攻撃は自分たちの工夫や発想を生かし、自由にやらせてもらっています」と話す。サイドバックとしては「どんどん高い位置を取っていけと言われています。高過ぎてマークに付かれたら低い位置に降りて、ボールを引き出す。なるべく高い位置でボールを受けたいとは思っています」とプレー面の意識を語った。

試合後の記者会見で質問に答えるFC琉球の金鍾成監督

 今シーズンは残り9試合。19位相模原との勝ち点差は1ポイント、JFLへの自動降格圏内となる20位北九州とは8ポイント差となっている。

 「最後まで戦い抜けたこと、一つのゲームで力を出し切ったことでまた次に迎える部分がある。選手たちがいかに90分間に渡って力を出せるか。残り9試合。戦術より、気持ちで向かうということを優先していきたいと思います」と金監督。最後まで諦めず、より攻撃的に。ホームのサポーターを前に体現した姿勢を貫き、なんとしてもJ3に残留したい。

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長嶺 真輝

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ながみね・まき。沖縄拠点のスポーツライター、フリーランス記者。
2022年3月まで沖縄地元紙で10年間、新聞記者を経験。
Bリーグ琉球ゴールデンキングスや東京五輪を担当。金融や農林水産、市町村の地域話題も取材。

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