旅行社社長が語るコロナ禍のリアル(上)
- 2020/10/7
- 新型コロナ・医療
このままでは旅行社の3割が消えてしまう
——台湾は封じ込めに成功したものの、日本は感染が広がってしまいました。
「台湾が日本への渡航制限を発出した3月以降、売り上げはゼロです。この状況がさらに続けば、旅行社の3割は消えてしまうでしょう。中小にも恩恵が届くような施策が必要なんです」
——行き来ともに台湾が主力ですが、1年の流れを教えてください。
「受け入れで言うと、1月は旧正月の休みで来ます。2~3月は沖縄マラソンを除き中休みといったところで、4~6月はなぜかお年寄り、子供を含めた家族連れが多いです。4~10月がシーズンで、会社のインセンティブツアーなどもこの期間にあります。これは大きいですよ。大企業になると2000~3000人規模になりますからね。
7~8月は夏休みを利用したマリンレジャー目当てが多いです。9~10月は7~8月に来られなかった人たちの“遅めの夏休み”です。10月は那覇祭り、那覇大綱挽きがあり、11月は産業祭り、12月はNAHAマラソンと目白押しです。特にNAHAマラソンは年々参加者が増え、11月中にホテルの手配を終える必要があるので大変です。
送り出しは1月がオフシーズンですが、旧暦1月15日に開催される『ランタン祭り』も徐々に増えています。2月は高雄マラソンに沖縄から100人以上が参加します。3月は大学生の卒業旅行、4~5月はゴールデンウイーク期間中のツアーですね。6月は梅雨で小休止ですが、5~6月は業界団体による視察研修旅行が多いんです」
——専門性の高いミッションですね。沖縄、台湾双方の文化に精緻しているからこそ需要があるんだと思います。
「7~8月は夏休み、9月はシルバーウイークに集中します。10月はもう台湾のどこかでイベントがあるというほどのイベントラッシュです。主なものだけでも『雲林国際人形劇祭り』『媽祖島クルージング』『日月潭花火音楽フェスティバル』『東海岸大地芸術祭及び月光・海音楽会』『南投世界茶業博覧会』『台北ファッションウィーク』……といったところです。
11月は2度の連休があり、12月は歳末大売り出しや食の展示会なども開催されます。もちろん年末年始を利用したツアーも安定しています」