玉城知事、3日から訪中へ 中国は対外関係法施行

 

 沖縄県は6月30日、玉城デニー知事の訪中日程を発表した。3日に北京入りし、日本国際貿易促進協会(会長・河野洋平元衆議院議長)に同行する形で商務部との交流や、要人との面談も予定されている。県独自の日程としては、政府系の企業グループCITIC本社や中国国際航空、琉球国墓地などを訪問する。その後は、福州市を訪れる。

 一方、中国では1日から外交の基本方針「対外関係法」が施行された。同法では、対外的な開放を維持するとしながらも、企業や民間について、対外交流で国家の利益を損なう活動はしてはならないと定め、外交における中国共産党の指導を堅持することも規定しているという。

 松野博一官房長官は、29日午前の定例会見で同法について問われ「他国の国内法の影響について予断することは差し控えるが、同法は中国国内の外国人と外交機関にも言及していることから、引き続き動向を注視している。いずれにせよ、昨年11月の日中首脳会談でも一致した通り、両国間の経済や国民交流を後押ししていく」と語った。

 日本政府は、安保3文書の改定などを経て防衛力を強化するが、中国との経済関係は維持したいと考えているとみられる。

 ただ、今後は民間の交流にも中国政府の意向が強く働くおそれもあるとの声も出ており、県が訪中を含めた「地域外交」で進めようとしている民間・経済・学術・文化などの交流にも影響が及ぶ可能性がある。県には、慎重な対応が必要となる。

 また、石垣市登野城の尖閣諸島問題については、6月26日の県議会一般質問でも取り上げられた。同市区選出の大浜一郎氏(沖縄・自民党)が「尖閣諸島は中国の領土だと言われたらどう答えるのか」「即座に反論しなければ認めたことになる」とただした。

 これに対し、玉城知事は「ご懸念にも十分、熟慮して対応したい」と述べたほか「直接、そのことについて言及しない(選択肢もある)」などと答えた。

(記事・写真 宮古毎日新聞)


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