「去年は選手をリスペクトし過ぎた」再登板、喜名監督の変化 一問一答・FC琉球
- 2023/6/16
- エンタメ・スポーツ
攻守で目指す“コンパクト”な陣形
ー喜名監督が暫定的に指揮を取ってから、全体のパス本数は減っているが、前線にボールがより入るようになっている。チームが目指すポゼッションサッカーのあり方について。
「チームとして『ポゼッション』のところは変わらず貫いてやりたいですが、今整理しているのは守備のところです。まずはしっかり自分たちの陣形を保ちながらコンパクトに守備をする。ボールを奪って、ゴールが見えるんだったら、まずはそこに向かおうという意識です。ボール保持者ではない他の選手も後ろのサポートでなく、どんどん前に飛び出そうという中で、選手は今、本当にトライしてくれています。一方で、相手がブロックしている時は、自分たちがしっかりボールを保持しながら、相手を揺さぶる。この二つの使い分けが今、非常によくできていると思います。ですので、パス本数は減っていますが、ペナルティエリアにボールが入る回数は格段に増えてる。もっと改善する必要はありますけど、そこは貫いてやっていきたいです」
ーなぜ守備のコンパクトさを求めるのか。
「ディフェンスラインから、トップの選手までの距離感は非常に重視しています。そこが広ければ広いほど、相手にボールを持たれる時間も増えますし、自分たちがボールを奪った後も、お互いの距離感が遠いとなかなかボールがつながることが少ないので。なので、しっかり全体でコンパクトさを保ちながらゲームを進めていこうとしてます。それは攻守どちらもです」
ー昨シーズン監督を務めている時、アディショナルタイムの失点が課題だった。前回からの反省は。
「去年はちょっと選手をリスペクトし過ぎて、なかなか練習で言えない部分もありました。今は練習で強く選手に求めている中で、非常に強度の高いトレーニングが行われています。それが結果に結び付いていると感じます」
ー非常に重い決断だったと思うが。
「プレッシャーはもちろんありますが、気持ちはすごく前向きです。このプレッシャーを乗り越えていくことは必要ですが、それ以前に選手が本当に頑張ってくれています。県民の期待もすごく感じますので、自分一人ではなく、みんなで乗り越えていきたいなと思います」
選手に求めるのは「話して理解し合う」姿勢
ーこれまで今シーズンのチームをどう捉えていたか。
「外から見てて、勝ててない時はどうしても矢印が外に向きがちだと感じる部分がありました。ですので、選手には『しっかり思ってることを伝えろ』と言いました。また、伝えた側も聞く耳を持って、しっかり選手同士が話し合って理解しようということを求めました。練習中に激しく言って、小競り合いとかも出てきてはいるんですけど、それくらいみんなが真剣にサッカーに取り組んでる。そこは成長してると感じます」
ー暫定的に指揮を執った数試合で『よかった』と感じる場面は。
「こないだのホーム戦(アスルクラロ沼津戦)で取った3点は狙い通りの形を体現してくれたし、大勢のお客さんが喜ぶシーンを見れたので良かったです。もう一つは、アディショナルタイムにボールを奪われた後、牟田(雄祐)選手が最後にゴール前の1対1で体を張って防いだシーンです。ああいう場面は今まであまり見れなかったので、印象に残っています」