「去年は選手をリスペクトし過ぎた」再登板、喜名監督の変化 一問一答・FC琉球

 
FC琉球の監督に再就任し、意気込みを語る喜名哲裕監督=15日、那覇市の沖縄県体協スポーツ会館

 サッカーJ3のFC琉球は、倉貫一毅前監督の解任に伴って5月中旬から暫定的に指揮を執っていた喜名哲裕スポーツダイレクター補佐兼アカデミーアドバイザー(46)の監督就任を決定し、15日に那覇市の沖縄県体協スポーツ会館で就任会見を開いた。

暫定指揮の間に2勝1分 球団はサポート体制を構築

 チームは倉貫前監督を解任した時点で3勝6敗1分の17位だったが、喜名監督が指揮を執ってからは2勝1分と好成績が続いており、現在は5勝6敗2分の13位と順位を上げている。喜名監督は2021年10月にも琉球の監督に就任し、成績不振を受けて2022年6月に解任されたが、1年ぶりに再登板することになった。

喜名監督(右)を起用した理由を説明する竹原稔スポーツダイレクター

 会見に同席した竹原稔スポーツダイレクターは、喜名監督を再び起用した理由について「FC琉球に最も愛を注げて、最も時間を注げて、最も力を込めて、選手の力を最大化できる人材。そのことに立ち返ると、この人物しかいない。沖縄県人であり、沖縄が育て、沖縄で経験を積んだサッカー人である彼をより成長させることが、FC琉球の成長であり、沖縄サッカーの発展になると考えました」と説明した。

 チームは「フットボールアドバイザー」というセクションを新設して、新しいコーチを招聘する。琉球として目指すサッカーのスタイルをもう一度見直し、それを通して喜名監督のバックアップ体制を強化していくという。

「J2昇格に力を注ぎたい」悩んだ末に決断

記者の質問に答える喜名監督(右)

 喜名監督の冒頭挨拶、メディアとの一問一答は以下。

ー監督から挨拶を。

 「今回監督のオファーをいただいた後、すぐに返答ができず、時間をもらいました。去年監督として思うような結果を残せず、本当に自分で大丈夫だろうか、という思いもありましたし、家族の理解を得られるかということもありましたので。その中で、また現場に立って、FC琉球というチームをもう一度蘇らせ、目標としているJ2昇格に自分の力を注ぎたいと思いました。簡単ではなかったのですが、監督をする決断をいたしました」

 「今、チームとしては非常に苦しい状況の中で、昇格は本当に簡単ではないですが、選手一人一人がしっかりそれを理解しながら、日々競争の中でトレーニングができています。選手、スタッフ、フロントが三位一体になることが非常に大事だと思っています。『ONE OKINAWA』というチーム目標を掲げながら、皆さんの応援に応えられるように日々努力し、昇格に向けて頑張っていきたいと思います。引き続き応援をよろしくお願いします」

ー監督は1年ぶり。この期間に得たものは。

 「去年解任になった後にいろんなJクラブの練習に参加し、日々のトレーニングや選手とのコミュニケーションで大事な点を学びました。特に相手に対して、どう自分たちのストロングポイントを出すかというところは本当に自分に足りない部分だったので、それはこの1年をかけていろいろ勉強をさせてもらいました」

ー去年との違いをどんな部分で見せたいか。

 「勝負にこだわるところです。もちろん自分たちのスタイルも大事ですが、1試合1試合の勝負にこだわるところを一番見せたいです」

ーシーズンは残り3分の2。どんなチームをつくりたいか。

 「もちろん結果も大事ですが、チームとして躍動したり、選手たちが一人一人のためにハードワークしたりしていることをお客さんが感じられるチームを築き上げたいです」

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