FC琉球、喜名監督再就任後の初陣で大敗 今シーズン初の3連勝ならず

 

 サッカーJ3のFC琉球は18日、東大阪市花園ラグビー場で11位のFC大阪と今季第14戦を行い、0-3で大敗した。喜名哲裕監督が再就任してから初の公式戦を白星で飾ることはできず、今シーズン初の3連勝とはならなかった。通算成績は5勝7敗2分の勝ち点17、順位は15位に下がった。

前半から防戦一方 相手の猛攻で「受け身」に

 試合前の時点で、いずれも2連勝中と波に乗るチーム同士の対決となった一戦。しかし、開始からゲームを支配したのは、ホームの声援を背に受ける大阪だった。

 2トップを目掛けて長いボールを送ったり、細かいパス交換をしながら攻め上がったりと、序盤から猛攻を仕掛ける大阪。それを受け、琉球は「自分たちが構えすぎてラインを下げてしまった」(喜名監督)と受け身になってしまい、度々シュートまで持っていかれる。ディフェンスラインで壁をつくってなんとかいた凌いでいたものの、前半45分に相手のシュートがディフェンダーに当たって方向が変わり、そのままゴールに吸い込まれて先制点を許した。

 後半に入ると、再開直後にMF中野克哉が華麗な個人技から惜しい場面をつくるなど、反撃の狼煙が上がるかに見えたが、後半6分にGKダニー・カルバハルがボールの処理を誤って相手にボールが渡り、2失点目。その3分後にも、こぼれ球から中央をパスで崩されて3点目を奪われた。

 琉球は後半に途中交代でピッチに入ったFW金崎夢生やFW阿部拓馬らが枠内に強烈なシュート放つなど好機がつくったが、最後までゴールネットを揺らすことはできなかった。

「ボールを受けたがる選手が少なかった」

 喜名監督が暫定的に指揮を取っていた直近3試合は2勝1分だった琉球。コンパクトな陣形を保ちながら前線からプレッシャーをかけ、ボールを奪ってから各選手が連動して攻め上がり、得点に繋げていたが、この試合では相手の推進力に飲まれて常にラインが下がっている印象だった。そのため、ボールを確保してからの動き出しが鈍く、なかなか相手ゴールに迫ることができなかった。

 試合後、喜名監督は「ツートップを目掛けてロングフィードを入れてくる相手に対して、自分たちが構えすぎてラインを下げてしまった分、セカンドボールを拾えなかったり、セカンドボールを拾ってもファーストプレーの質が低く、ボールを受けたがる選手が少なかったです」と前半を振り返った。後半についても連続失点の場面が挙げて「試合が難しくなる」と語り、追い上げの雰囲気が削がれたことを悔やんだ。

 チームは21日、アウェーでJ2のロアッソ熊本と天皇杯2回戦を行い、24日にはホームでテゲバジャーロ宮崎とリーグ戦を戦う。

 アウェーで大敗したとはいえ、最近の試合では主将のFW野田隆之介を先頭にチームとしてまとまりが出始めており、選手同士のコミュニケーションも活発になってきている琉球。指揮官も「ロッカールームでも誰一人顔を下げることなく次に向かって準備をしています。切り替えて次に向けて準備していきたいと思います」と前を向く。ホームで再び上昇気流に乗りたい。

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長嶺 真輝

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ながみね・まき。沖縄拠点のスポーツライター、フリーランス記者。
2022年3月まで沖縄地元紙で10年間、新聞記者を経験。
Bリーグ琉球ゴールデンキングスや東京五輪を担当。金融や農林水産、市町村の地域話題も取材。

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