参加66人中10人が選手契約 沖縄舞台に初開催されたジャパンウィンターリーグ

 
ジャパンウィンターリーグを運営するジャパンリーグの鷲崎一誠代表(左から2人目)ら=3月23日、那覇市の沖縄県庁内にある記者クラブ

 昨年11~12月に沖縄で開催された、国内初となる野球の長期トライアウト「ジャパンウィンターリーグ(JWL)」の成果発表会見が那覇市の沖縄県庁で行われた。記念すべき第1回には国内外から66人の選手が参加し、そのうち10人が独立リーグや社会人リーグなどのチームと契約を締結。運営会社ジャパンリーグ(那覇市)の鷲崎一誠代表は「大きな成果を挙げることができました」と高く評価した。

日本のプロ野球、大リーグからもスカウト

それぞれの持ち味を発揮し、スカウトにアピールする選手たち=2022年11月、アトムホームスタジアム宜野湾

 参加した66人は高校、大学、社会人、独立リーグの選手で、年齢は15~33歳。全国各地から集まり、4チームに分かれて22試合ずつのリーグ戦を行った。Hondaやトヨタ自動車などの社会人チームから実践経験を積むために参加した選手もいる一方で、46人はトライアウトを目的に参加した。

 期間中は沖縄県内の4球場で連日のように試合を行い、日本のプロ野球(NPB)や独立リーグ、社会人リーグ、米国大リーグ、その他の海外のプロ野球リーグなどの31球団が、現地、もしくはリモートスカウティングの仕組みを利用して選手を視察した。その結果、46人のトライアウト選手のうち、36人がスカウティングされた。

 契約を勝ち取ったのは10人。国内各地の独立リーグや社会人のチームのほか、海外リーグと関わりのある運営スタッフがいたため、その繋がりでポーランドのチームと契約した選手もいた。

 NPBの12球団合同トライアウトは1日限りだが、JWLは22試合の中でしっかりと自身の強みや特徴をアピールすることができる。その特徴を念頭に、鷲崎代表は「これまで日本の野球界には誰もが手を挙げて参加できるトライアウトはなく、レールに乗った人しかプロ野球にいけないという課題があると感じていました。私たちは新しい文化を創ったと思っています。サポートしていただいた皆さん一人一人が変革者です。本当に感謝を言いたいです」とお礼の言葉を述べた。

沖縄出身の花城と新里「NPBにいける選手に」

会見で笑顔を見せる(左から)花城凛と新里和寿。JWLに参加し、見事独立リーグのチームとの契約を勝ち取った

 会見には沖縄出身選手で、北海道の独立リーグチーム「士別サムライブレイズ」と選手契約を締結した外野手の花城凛(23)=宮古高校ー長崎国際大学ー琉球ブルーオーシャンズーGENESIS=と捕手・内野手の新里和寿(21)=沖縄水産高校ー沖データコンピューター教育学院ーてるクリニック=も出席した。

 後期日程の約2週間、JWLに参戦した花城は「短い期間でしたが、試合も練習もやって、自分が思い描いたような最高の時間を過ごすことができました。課題を改善し、絶対にNPBにいける選手になれるように頑張ります」と決意。バッティングと俊足、積極的なプレーを持ち味に挙げ、「そこを見てもらえるように活躍していきたいです」と展望した。

 JWLには社会人野球のトップクラスのチームからも選手が参加した。そのため、新里は「レベルの高いプレーヤーは野球をしていない時間も試合後のベンチの清掃やボール拾い、スタッフの方への挨拶などを習慣化していて、いち社会人としてもっと自分を高めていくことが野球のレベルアップにも繋がると感じました」と振り返る。高校では3年間試合に出られなかった悔しい経験に触れた上で「自分と同じような境遇の選手にとっての希望の光になれるような選手になりたいです」と意気込みを語った。

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