「1年でのJ2復帰」を掲げるFC琉球が好スタート!J3開幕戦で八戸に1ー0
- 2023/3/5
- エンタメ・スポーツ
サッカーJ3のFC琉球が3月4日、沖縄市のタピック県総ひやごんスタジアムでヴァンラーレ八戸と今季の開幕戦を行い、1ー0で勝利した。前半終了間際にFWケルヴィンが華麗な個人技で決勝点を挙げた。「1年でのJ2復帰」を目指すチームにとって、幸先の良いシーズンスタートとなった。会場にはJ2で戦った昨シーズンと遜色ない3,693人のサポーターが駆け付け、選手たちの背中を押した。
華麗なる”スーパーゴール”炸裂 ケルヴィン
まさにスーパーゴールだった。前半44分、”王国”ブラジル出身のケルヴィンが相手ディフェンダーを背にしてペナルティエリア外側でボールを受けると、一度も地面にボールを落とすことなく4度のリフティングで交わして前を向く。右足のワンタッチでコントロールすると、最後は左足一線。ミドルシュートでゴール右隅に突き刺した。
試合終了後、スマートフォンで自らのゴールシーンを早速確認したというケルヴィン。「前半はあまりチャンスの場面がなかったけど、それでも決めないといけない。自分のキャリアの中でもベストゴールだと思う。次の試合でも点を取れるようにしたいです」と満面の笑みを浮かべた。
構築途上のポゼッションサッカー
今季、倉貫一毅新監督の下で「魅力的なサッカー」を掲げ、パスを繋いでボールを支配する攻撃的なスタイルの復活を目指す琉球。しかし、前線で躍動し続けたケルヴィンが「チャンスが少なかった」と話したように、前半からなかなか相手のディフェンスを崩すことができなかった。
後半は開幕直前に電撃加入した元日本代表のFW金崎夢生がピッチに入り、活性化を狙った。ボールを供給する前線の起点が増えたことで、MF武沢一翔がスルーパスで好機を演出する場面などはあったが、波状攻撃につながる時間帯は少なかった。金崎も合流直後でまだ調整不足感は否めず、終盤には運動量が激減。後半46分にイエローカード2枚目をもらって退場となり、ほろ苦い琉球デビューとなった。
今季主将に就いたFW野田隆之介やFW阿部拓馬、MF清武功暉ら前線の主力がコンディション不良などでベンチを外れたこともあるが、まだポゼッションサッカーの構築に向けて途上の段階にあることは否めなかった。
今季新加入で先発を務めたMF森田凜は「今日の試合は課題が多く、誰一人満足してないと思います。もっとボールを支配してゲームをコントロールする必要があります。後半はちょっと違うやり方をして良くなった部分はあるので、次につなげたいです」と前を向いた。
課題は「プレーの質と人が集まる迫力」
指揮官としての初陣となった倉貫監督も「勝ち点3を取れてほっとしたけど、内容には満足してないです」と率直に語る。5-3-2の形で堅実に守る相手のフォーメーションに手を焼き、「相手ディフェンスを引っ張り出してできたスペースを使い、うまくいった場面もあったけど、なかなか崩せませんでした。ボールが中に入った後のプレーの質と、人が集まる迫力にちょっと欠けるところがありました。開幕戦ならではの硬さもありましたが、ちょっと頭が止まっちゃう場面がありました」と課題を挙げた。
スタンドに駆け付けた多くのサポーターに対しては「背中を押してもらったことが、最後までゴールを守り切れた大きな要素になりました。今年の目標を達成するために欠かせない存在だと感じます」と感謝。今後に向けて「またスタジアムに見に来たいと思ってもらえるサッカーをしたい。今日ももっとボールを持って崩したかったのが本心です。負けないようにトレーニングして、チーム力を上積みしていきたいです」とレベルアップを誓った。