EASLで才能の片鱗を見せたカール・タマヨ ”2冠”狙うキングスの「最後のピース」に

 
左サイドからドライブを仕掛ける琉球ゴールデンキングスのカール・タマヨ=3月4日、沖縄アリーナ(長嶺真輝撮影)

 身長202cm、体重92kg。恵まれた体格を生かしてゴール下で体を張ったディフェンスを見せたかと思えば、オフェンスでは美しいシュートフォームでスリーポイントを射抜く。22歳で既にフィリピン代表に名を連ねる将来性豊かな若者が、非凡な才能の片鱗を覗かせた。

 3月1~5日に行われたバスケットボール男子の東アジアスーパーリーグ「EASL Champions Week」。2月にBリーグの琉球ゴールデンキングスに合流したばかりのアジア特別枠のカール・タマヨが、初めて”ホワイト&ゴールド”のユニホームを着てプレーした。フィリピン大学の卒業を待たずに球団入りしたため、自身にとっては今大会がプロデビューの場となった。

 EASLでは3試合に出場し、少ないプレータイムの中で存在感を発揮。3月12日に決勝がある天皇杯全日本選手権とBリーグで史上初の”2冠”獲得を狙うキングスにとって、厳しい戦いを勝ち抜くための「最後のピース」として期待を集める。チーム力を底上げする起爆剤となるかー。

コート横断し初得点 広いシュートレンジが強み

左コーナーからスリーポイントを放つタマヨ

 デビュー戦となったのは、3月2日に日環アリーナ栃木であった母国フィリピンのチームであるサンミゲルビアメン戦。第1クオーター(Q)終盤の残り1分39秒、アレン・ダーラムと交代して初めてコートに入った。

 初めのオフェンスでは右45度からのミドルシュートを外したが、直後に見せ場をつくる。自陣のペイントエリア内でルーズボールを拾うと、わずか5回のドリブルで自らコートを横断し、相手のブロックを物ともせずにレイアップを沈めた。4得点、2リバウンドを記録したこの試合は8分6秒の出場にとどまり、「ルーキーのような気分で、全てが早く過ぎ去ってしまったという感じでした」と振り返るが、ビッグマンでありながら高い機動力とハンドリング能力も兼備していることを早速プレーで示した。

 さらにホーム、沖縄アリーナデビューとなった3月4日の台北富邦ブレーブス戦では、第2Q中盤で連続スリーポイントを決めて幅広いシュートレンジがあることをアピール。ディフェンスが間合いを詰めてきた際には、「コーチからのアドバイスもあり、より賢くプレーしようと思いました」とドライブに切り替えてレイアップを沈めるなど、1対1での高い能力も見せた。

 守備でも屈強な体を持つインサイドの選手に体を当てられてもほとんど押し込まれることがなく、「高さ」だけでなく「強さ」も備える。もちろん、まだチームに合流したばかりで他選手との連係がおぼつかない場面はあるが、ボールシェアを掲げるオフェンスや組織的なディフェンスなど、チームで戦うキングスのシステムにフィットしていけば、さらに個の選手としても高い能力が引き出されていきそうだ。

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