九州王者の沖縄尚学、春のセンバツ出場決定! 佐野主将「目標は優勝」 

 
センバツ出場を決め、報道陣を前にガッツポーズを見せる沖縄尚学のメンバー=1月27日、那覇市国場の沖縄尚学高校体育館

 第95回選抜高校野球大会(センバツ、春の甲子園)の出場校を決める選考委員会が1月27日、大阪市内で行われ、秋季九州大会王者の沖縄尚学が一般選考枠で選ばれた。同校の春出場は2014年以来、9年ぶり7度目で、1999年と2008年には全国制覇を達成している。出場決定を受け、佐野春斗主将は「目標は優勝です。自分たちの野球をやって、全国レベルにも引くことなく攻めた野球をしたいです」と決意を語った。

 今年は記念大会のため、例年より4校多い36校を選出。組み合わせ抽選会は3月10日に行われ、大会は18日に兵庫県西宮市の阪神甲子園球場で開幕する。14日間の日程で、決勝は3月31日に実施予定だ。

逆転負け喫した神宮大会の反省生かす

ネット中継を見ながら吉報を待つ比嘉公也監督(右端)や佐野春斗主将(右から2人目)ら=沖縄尚学高校の5階講堂

 27日午後、那覇市国場の学校講堂に集まり、選考委員会のネット中継を見ながら出場決定の報を待った選手たち。昨秋、9年ぶりに沖縄開催となった秋季九州大会で優勝を果たしていた沖縄尚学の出場はほぼ確定的だったため、学校名が呼ばれても選手やコーチ陣は表情を変えることなく、淡々と受け入れていた。

 九州からはその他、長崎日大と海星(長崎)、大分商業が選ばれた。

 エースの東恩納蒼投手は「ほぼ確定という状況ではありましたが、改めてセンバツ出場が決まってほっとしています」と安堵した様子。九州大会の後に行われた明治神宮大会では昨夏の甲子園で優勝した仙台育英と初戦でぶつかり、九回に4点差をひっくり返されて敗れたため、「一球の重みを実感したので、練習で一球一球丁寧に投げることを意識しています。(センバツでは)仙台育英にリベンジを果たしたいです」と強気に語った。

 沖縄県勢は2021年に具志川商業が21世紀枠で出場したが、一般枠での選考は2015年の糸満以来8年ぶりとなる。比嘉公也監督は「沖縄から久しぶりの(一般枠で出場しての)選抜大会となりますので、一つでも多く勝てるようなチームづくりをしていきたいと思います。生徒たちは全国制覇を目標にしていますので、そこを目指して残された時間を過ごしたいと思います」と今後を見通した。

九州随一の打力 躍進の鍵は控え投手と機動力

センバツ出場決定を受け、学校関係者や保護者らの前で挨拶する佐野主将

 選考委員会が「九州大会では投打に安定した力を発揮して優勝しました」と選考理由を説明した通り、沖縄尚学は九州大会の4試合で全て二桁安打を記録してチーム打率が3割8分4厘となり、大会を通して失策は2つのみだった。

 九州随一の破壊力を誇る打線は九州大会の出塁率が脅威の7割8分9厘に達したリードオフマンの知花慎之助が牽引する。中軸の仲田侑仁や東恩納、佐野も勝負強いバッティングが持ち味だ。下位打線までシャープなスイングが徹底されており、ビッグイニングを生む力がある。

 守りは二塁手の佐野と遊撃手の宮平良磨が支える。中学まで捕手が専門だった中堅手の知花は肩の強さと俊足も持ち合わせ、外野の要を担う。投手陣は最速145㌔の直球や切れのある変化球が武器の東恩納が引っ張る。

 一方、選考委員に「課題は2番手投手の育成と機動力です。この強化次第で上位進出ができるチームです」と紹介された通り、東恩納に続くピッチャーの台頭が求められる。比嘉監督は「この冬、いかに2番手ピッチャーを育てるかということを最大の課題として取り組んできました。成長した投手陣をセンバツで見せられたらなと思っています」と力強く語った。

 開幕まであと50日。近年、沖縄県勢は春、夏を通してなかなか甲子園で勝ち上がれていないのが現状だ。短い期間ではあるが、少しでも攻守のレベルを上げ、全国トップクラスの”野球熱”を誇る沖縄を盛り上げたい。

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長嶺 真輝

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ながみね・まき。沖縄拠点のスポーツライター、フリーランス記者。
2022年3月まで沖縄地元紙で10年間、新聞記者を経験。
Bリーグ琉球ゴールデンキングスや東京五輪を担当。金融や農林水産、市町村の地域話題も取材。

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