「球春」到来!プロ野球の沖縄春季キャンプが始動 選手、球団の注目は…

 
横浜DeNAベイスターズがキャンプを張るアトムホームスタジアム宜野湾。スタンドにはユニホーム姿のファンや望遠カメラを構える人も=2月1日、宜野湾市

 今年も「球春」のシーズンがやってきた。

 プロ野球(NPB)7チームが2月1日、沖縄県内各地で春季キャンプを開始。今月中に残り2球団も来県し、今年はセ・リーグ全6球団、パ・リーグ3球団の計9球団が県内でペナントレース開幕前の体づくりに励む。昨シーズン、セ・リーグ2連覇を果たした東京ヤクルトスワローズや、稀代のエンターテイナーとして球界を沸かせる「BIG BOSS」こと新庄剛志監督率いる北海道日本ハムファイターズなど見どころ満載だ。

 1日に県内でキャンプインしたのは、ヤクルト、阪神タイガース、中日ドラゴンズ、横浜DeNAベイスターズ、日本ハム、東北楽天ゴールデンイーグルス、千葉ロッテマリーンズ。読売ジャイアンツは2月16日から、広島東洋カープは2月17日から県内でキャンプインする。

各球場にファンの姿 経済効果の復活に期待

 近年はコロナ禍で無観客開催や事前のPCR検査が必要となるなど規制が多かったが、今年は入場者を最大7,000人程度としたヤクルトを除いてほぼ制限はない。マスクを着用したり、熱中症予防などを目的に一時的にマスクを外す時に周囲との距離を十分に確保したりすることなどは推奨されているが、コロナ前のようにほぼ自由に各球場を巡ることができる。

快晴の下、キャンプを訪れる人たち=宜野湾市のアトムホームスタジアム宜野湾

 快晴の下で最高気温が22度まで上がり、日中は半袖で過ごせる程の陽気となった1日は各球場にチームのユニホームやキャップを被ったファンの姿が見られた。球音が響くスタンドから望遠レンズを装着したカメラで”推し”の選手を撮影したり、選手の移動に合わせて追い掛けたり。キャリーケースを引き、県外からキャンプを目的に来県していると見られる人たちもいた。

 初日から練習後のサイン会を実施する球団も。今季は野球教室を開く予定のチームもいて、対面でのファンサービスが復活する見通しだ。

 コロナ禍の直近2年は経済効果(りゅうぎん総合研究所調べ)が20~40億円台にとどまったものの、2019年には過去最高の141億3,100万円に達した沖縄のプロ野球春季キャンプ。観光オフシーズンの冬場の一大イベントとして県経済に与える影響は極めて大きいため、今シーズンから再び大きな経済効果を取り戻すことが期待される。

ドラゴンズブルーをまとった仲地は出身地・読谷でスタート!

 県勢の注目選手も多い。

仲地礼亜投手ののぼりがたつオキハム読谷平和の森球場=読谷村

 まずはなんと言っても、昨秋のドラフト会議で中日からドラフト1位指名を受けた仲地礼亜投手(嘉手納高校ー沖縄大学)だ。ドラフト制度が1965年に始まって以降、初めて沖縄の大学からドラフト指名されたパイオニアだ。

 仲地は出身地である読谷村のオキハム読谷平和の森球場で行われる中日2軍キャンプでルーキーイヤーをスタート。球場周辺には「仲地礼亜投手 ちばりよー」と書かれた写真入りののぼりが複数掲げられ、盛大な歓迎を受ける。

 期待の右腕の魅力は無駄のないフォームから繰り出す最速151㌔の伸びのある直球に加え、カーブやスライダーなど多彩な変化球だ。大学時代に下半身をいじめ抜いたことで土台がしっかりしており、コントロールもいい。ドラフト指名時には「これからは沖縄県の子どもたちに目標にされる選手になっていきたい。新人王を目指します」と豪語しており、1年目からの1軍マウンドが期待される。

 ドラゴンズブルーをまとった仲地の初々しい姿をぜひ球場で見てみてはいかがだろうか。

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