変わる琉球コラソン「ワクワクする試合を」 新プロリーグ参入への覚悟も

 
素早い動きで相手ディフェンスの間を割る琉球コラソンの佐藤草太=11月13日、那覇市の県立武道館(長嶺真輝撮影)

 近年低迷の続く日本ハンドボールリーグ男子の琉球コラソンに、変化の兆しが見えてきた。3勝7敗(11月17日現在)で12チーム10位と下位ではあるが、今月5日、2007年の創設以来初めて名門・大崎電気に勝利。さらに13日には、今季第2戦で17点差の大敗を喫した昨季王者の1位豊田合成に対して前半を5点差で折り返し、負けはしたものの最後まで一桁点差で善戦した。

 2014-15シーズンには球団過去最高のシーズン4位(7勝1分8敗)でプレーオフに進出したが、17-18シーズン以降の直近5シーズンの白星は最も多くて4勝止まり。だが、東江正作新監督を迎えて心機一転を図った今季は12試合を残して既に3勝を挙げており、低迷から脱却するチャンスを迎えている。チームに何が起きているのか。

小柄ながら連係、スピードに磨き

 LW峰岸頸志郎の183㎝がチーム内の最高身長であるコラソン。リーグでも小柄なチームが、複数の外国人選手が所属し、身長2メートル近い選手も多いリーグ1位の豊田合成を相手に体をぶつけ、時には前から当たってボールを奪い、速攻につなげる。

身長2m近い相手外国人選手にプレッシャーをかけるコラソンの選手たち

 ハーフコートのオフェンスでも179㎝のPV中川智規が相手ポストの裏を動き回り、攻撃の司令塔であるCB東江太輝が一瞬の間隙を縫って裏に落としたボールに反応し、キャッチして得点を奪う。選手たちが活発にポジションを変えながら揺さぶってネットを揺らしたり、168㎝のCB佐藤草太が自身より30㎝近く大きい相手外国人選手を小気味良い動きで振り切ってシュートを決めたりする場面もあった。

 単独速攻でボールをファンブルしたり、相手が1人退場になっている時にサイドシュートを外してしまったりと細かいミスがあり、結果的に地力の差を見せ付けられて24-32で敗北。しかし開幕時より目に見えて深まってきた連係プレーや、随所で見せたスピード感のある攻撃が観客を魅了し、会場の県立武道館に悲壮感はなかった。

 東江主将が振り返る。「相手はデカくて、シュート力とジャンプ力もある。そのチームに対して小さくてもスピードを生かし、高く(ディフェンスに)出て、どれだけ相手の大きさを消すかということをテーマに戦いました。前の試合で大崎電気に勝ち、ファミリアの皆さんも少し期待していたところもあると思う。僕たちが戦っている姿を見せて、何か熱いものを感じてもらう試合を目指している。今日は少しはできた部分もあるかと思っています」

ポイントは「自立」 目標は「8勝」→「10勝」上方修正

けがから復帰した髙橋翼

 「ディフェンスの芯ができてきている」と評価するのは、東江監督だ。これまで東江主将と峰岸が主に中央を守ってきたが、チーム内では大柄な選手の1人である髙橋翼が最近けがから復帰したことで、安定感が増した。指揮官も「翼が復帰したことで太輝に休む時間ができた。太輝、(石川)出、依田(純真)を2枚目(横一線で守った時のサイドから2人目)で回していくこともできる。チームとして総合力が上がっています」と手応えを語る。

 攻撃では、ここ数試合でほとんどポストを務めている中川の変化に目を見張る。「3、4カ月前までは、1枚目、2枚目が相手ディフェンスを引き付けて中川にパスを落とした時にぽろっと落としていた。でも今はそういう場面でしっかりシュートを決める。大柄選手に挟まれてもボールだけはしっかりキープしていたから、ああいう姿勢があるとバックプレーヤーたちは『こいつなら大丈夫だな』と思えるんです」と選手同士の信頼関係が成熟してきていると解説する。

高さのある相手ディフェンスラインを抜け出し、シュートを放つ中川智規

 中川自身も「自分も30歳手前の中堅として、責任感を持たないといけない。太輝さんとのパス交換でも信頼を得られてきていると思ってます」と好感触を語る。

 今季もあと1試合でシーズンを折り返す。「攻撃についてはいくつかポイントを話すくらいで、あとは選手に任せています。自立を促し、勝った時にチームが大分変わってきた」と成長を実感する指揮官は、11月中にある9位北陸電力戦(19日)、5位トヨタ紡織九州戦(23日)、3位大同特殊鋼戦(26日)で3連勝を見据える。開幕前は昨季の倍で、コラソンの歴史上最多タイのシーズン8勝を目標としていたが、今は「10勝までいけると思っています。上方修正をしながら、自分もプレッシャーを掛けないとね」と不敵に笑った。

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