髙原直泰が国内全6リーグで得点! JFLで初ゴール、沖縄SVは引き分け

 
前半38分、左サイドからのクロスに反応する沖縄SVの髙原直泰(奥中央)=3日、三重県のAGF鈴鹿陸上競技場©️沖縄SV

 サッカー日本フットボールリーグ(JFL)暫定最下位の沖縄SVで選手兼監督を務めるFW髙原直泰(44)が2日、同12位の鈴鹿ポイントゲッターズと三重県のAGF鈴鹿陸上競技場で行った今季第13戦で1得点を挙げ、JFLで自身初得点を挙げた。

 球団によると、髙原はこれでJ1、J2、J3、JFL、地域リーグ(九州)、都道府県リーグ(沖縄県社会人)という日本サッカー界を構成するプロ、アマチュアの全6リーグで得点を記録した選手となった。

グラウンダーの折り返しに反応

ゴールに流し込む髙原

 鈴鹿との一戦は、SVが開始1分で中央にパスを通されて早々と失点。2連敗で迎えたこの試合も厳しいスタートとなった。

 髙原に見せ場が訪れたのは前半38分。GK花田力からのロングボールを髙原らが競り合うと、MF冨久田和真がこぼれ球を拾い、ペナルティエリア内左側をドリブルで深く切り込む。ゴールライン間際で中央へグラウンダーのパスを送ると、走り込んだ髙原が左足で合わせてネットを揺らした。

 後半は両チーム合わせてシュートがわずか3本にとどまり、なかなか得点機が訪れずに1ー1のまま試合が終了した。SVは2勝8敗3分の勝ち点9で、依然として暫定最下位の15位となっている。

 髙原は「先制されて難しくなる中で、そのままの流れで終わらせるのではなく、立て直しながら同点にできたことがよかった。チームで目指すサッカーをしようと試行している中で、少しスタメンを変えながらやっていて、チーム内にも良い変化が出てきた」と好感触を示した。一方で、勝ち越し点を挙げられなかったことを念頭に「追加点を奪うには個々の質を上げていくしかない」と気を引き締めた。

ドイツ、アルゼンチンなどでも得点

ボールをコントロールする冨久田和馬(後方中央)と前線へ走る髙原(手前)

 髙原は静岡県出身。清水東高校を卒業後、ジュビロ磐田でプロデビュー。2002年にJ1で得点王とシーズンMVPを獲得し、06年にはドイツW杯のメンバーに選ばれた。J1ではその他、浦和レッズと清水エスパルスに所属し、J2では東京ヴェルディ、J3ではSC相模原でプレーした。

 アルゼンチンのボカ・ジュニアーズ、ドイツのハンブルガーSV、フランクフルト、韓国の水原三星でもゴールを決めている。

 2015年には自ら沖縄SVを設立し、球団の代表と監督に就任。選手としても現役を続け、沖縄県リーグ、地域リーグ(九州)と昇格していく過程で各リーグで得点を挙げてきた。チームは今シーズンからJFLで戦っている。


長嶺 真輝

投稿者記事一覧

ながみね・まき。沖縄拠点のスポーツライター、フリーランス記者。
2022年3月まで沖縄地元紙で10年間、新聞記者を経験。
Bリーグ琉球ゴールデンキングスや東京五輪を担当。金融や農林水産、市町村の地域話題も取材。

この著者の最新の記事

関連記事

おすすめ記事

  1.  サッカーJ3のFC琉球が、第2次金鍾成(キン・ジョンソン)監督体制下の初陣を白星で飾った…
  2. 今季から琉球ゴールデンキングスに加入したアレックス・カーク(左から2人目)やヴィック・ローら=16…
  3.  FC琉球の監督が、また代わった。  サッカーJ3で20チーム中18位に沈む琉球は1…
  4. 戦前に首里城正殿前に設置されていたバスケットボールゴールを再現した首里高校の生徒ら=8月27日、那…
  5.  8月12日、浦添市のアイム・ユニバースてだこホール市民交流室は熱気が渦巻いていた。ステー…

特集記事

  1. 再びFC琉球の指揮を執ることになり、トレーニング中に選手たちに指示を送る金鍾成監督=19日、東風平…
  2. ヴィック・ロー(中央)の入団会見で記念撮影に応じる琉球ゴールデンキングスの(左から)安永淳一GM、…
  3. 沖縄県庁  沖縄県は、地域の緊張を和らげようと、4月から「地域外交室」を設置し、照屋義実副知…
ページ上部へ戻る ページ下部へ移動 ホームへ戻る 前の記事へ 次の記事へ