FC琉球、CFで「U-18」の活動支える資金募る 九州2部昇格で遠征費増大

 
試合前に集合写真を撮るFC琉球U-18のメンバー©︎FC RYUKYU

 サッカーJ3のFC琉球が、ユースチーム「FC琉球U-18」の活動を支える資金を集めることを目的にクラウドファンディング(CF)を実施している。琉球U-18は今シーズンから「高円宮杯 JFA U-18プリンスリーグ2023 九州2部」に昇格したことで、九州全域への遠征が必須となり、活動費用が増大していることなどが理由だ。

トレーニング施設の拡充なども目的

 資金集めはCF専用サイト「CAMPFIRE」で6月29日から8月28日まで実施し、目標金額は100万円。支援金額によって、トップチーム選手のサインが入ったポストカードやユニフォーム、試合招待券、元選手の上原慎也さんによる個別サッカー教室など様々なリターン(特典)がある。

試合中のベンチの様子©︎FC RYUKYU

 U-18は九州2部で戦うに当たり、試合会場へ行くために飛行機を利用する頻度が増え、一人当たりの年間遠征費は約30万円から約60万円に増加。保護者の負担が膨らむ中、球団も遠征費を一部補填したり、移動バスの運転をスタッフが担ったりするなど経費削減に努めてきたが、トレーニング施設の充実も含めて課題は多岐に渡ることから、CFの実施に至った。

 資金の使い道は以下。

・アカデミーの遠征費用補填

・トレーニングルーム、設備の拡充

・FC琉球高等学院の校舎拡充

・アカデミー選手寮の建設

・ジュニアユースの拠点拡大

・送迎バスの購入

3分の1をアカデミー出身に 日本代表輩出も目標

試合中の選手たち©︎FC RYUKYU

 現在、FC琉球はU-18、通信制高校のFC琉球高等学院、U-15、U-12をアカデミー育成年代に位置付け、さらに小学生以下のスクールも含めて指導に力を入れている。

 アカデミーの目標は二つ。現在トップチームでプレーする30人のうち、2人がアカデミーから昇格した選手が、10年後には3分の1をアカデミー出身の選手にすること。もう一つは沖縄、そしてFC琉球から日本代表を輩出することである。

 球団は「資金は遠征費用の負担を含めたアカデミーの環境整備のために大切に使わせていただきます。ぜひFC琉球の未来のために、皆さまの暖かいご支援を賜りますようお願い申し上げます」とコメントしている。

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長嶺 真輝

投稿者記事一覧

ながみね・まき。沖縄拠点のスポーツライター、フリーランス記者。
2022年3月まで沖縄地元紙で10年間、新聞記者を経験。
Bリーグ琉球ゴールデンキングスや東京五輪を担当。金融や農林水産、市町村の地域話題も取材。

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