Kinamiが国内活動本格化 米国名門音大経て 10月に新譜

 

 メリハリの効いたビートや楽しそうに歌うボーカルが印象的な2曲目『Blue Sapphire』。ブルーサファイアの宝石言葉「揺るぎない心、誠実、真実」にもあるような芯のある存在になりたいとの思いを込めた。米国滞在中の2020年にはコロナ禍で自由に人と会ったり外出したりできず、不完全燃焼な時間が積もっていった。そんな中で他者を元気づけたいと「踊りたくなるような曲」に仕上げた。

 その他にも、恋愛中の嫉妬や怒りを、半音単位の不安定なメロディーを用いて表現しながらセクシーに歌い上げた『Jealous』、まるで海中で何かに包まれているような感覚になる『I was ur girl』、キャッチ―な繰り返しのフレーズが一度聴いたら忘れられない『Who』など、楽曲ごとの個性を際立たせた。

 曲によって変わるKinamiのボーカル表現について「曲の歌詞を書いた時の気持ちに入り込んでいます。レコーディングは音だけで表現する場なので、感情のエネルギーを曲に落とし込めるように意識しています」と話す。

日本語の勘違いから生まれたタイトル

Kinamiの1stEP『ご自愛』のジャケット写真

 作品タイトルの『ご自愛』という言葉はKinami自身、リリースの1カ月前に初めて知った日本語だった。インターナショナルで学校教育を受けたKinamiは、日本語よりもむしろ英語に囲まれて半生を過ごしてきた。米国から沖縄に戻り、ビジネスメールで「ご自愛ください」という一文を見つけたことがきっかけだった。

 「書いている文字の通りに『自分を愛してください』っていう意味だと受け取って、感動したんですよ。『ありがとうございます!』みたいな(笑) でも、この言葉だったら、それぞれ感情の違う5曲をまとめて表現できると思いました」と、漢字に託された意味自体を尊重した。「いろいろな感情が湧き出ることはしょうがないけど、それも含めて大きなハグで受け止めて愛そうと思いました。他の人にも自分自身を愛してほしいです』

 ジャケット写真では上裸となって、胸元に草花をあしらっている。「裸のままの繊細な自分を表現したくて。裸をエロじゃなくてアーティスティックに提示したいという意味もあります。アーティストとして『裸はエロだ』というようなスティグマ(=烙印)をなくせたらと思っています」

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