アクターズスクールが1日限りの“大復活” 牧野アンナさんインタビュー(前編)

 

 安室奈美恵、MAX、DA PUMP、SPEED、知念里奈、三浦大知…沖縄発で今現在も大活躍する数々のアーティストを排出し、一大ブームを巻き起こした「沖縄アクターズスクール」。沖縄本土復帰50周年を記念して、10月2日に宜野湾市の沖縄コンベンションセンターで1日限りの「大復活祭」が開催される。チケットは発売後ほぼ即完売状態となり、アクターズスクール人気の根強さは健在だ(配信チケットは販売中なので、ライブを楽しむことは可能だ)。
 イベントを企画したのは、元アクターズスクールチーフインストラクターで、AKB48などの振付や演出も手掛けている牧野アンナさんだ。牧野さんに大復活祭が実現に至った経緯や、アクターズブーム当時の様子について話を聞いた。


牧野アンナさん

 ―今回の大復活祭の企画は、どんなきっかけで立ち上がったのでしょうか。

「私が父の牧野正幸(アクターズスクール創設者)と縁を切るという形でアクターズスクールを辞めてから、ずっと絶縁状態にあったんですが、それが去年の1月に関係修復したことが1番大きいですね。体調を崩した父に急遽会いに行って、話し合いました。こちらとしては“戦闘態勢”で構えてたんですけど、思った以上に弱っていたんです。それで肩透かしになったというか、むしろ励ましてあげなきゃいけないという気持ちにもなったんですね。
 復帰50年というタイミングでもあるし、アクターズスクールは沖縄のイメージを変えるようなムーブメントを起こしたし、今でも現役で第一線でみんな頑張り続けてる。今の若い子たちや子どもたちは知らないかもしれないけど、『アクターズスクールを改めて沖縄の皆さんに知ってもらうイベントやろうよ』と伝えて了承を得ました。その後、去年の2月頃から協力してもらえないかという話を、出演者やプロダクション、スタッフなどの各方面にしていきました」

 ―「アクターズスクール」の名前でのオフィシャルのイベントは、これまでやってなかったんですね。

「アクターズを辞めたタレントとは連絡をとらないようにと父から言われていたこともあって、卒業生たちが集まって何かイベントをやるっていうことが基本的に出来なくなっていたんです。アクターズでの思い出は、もちろん良いことも悪いこともあったけど、仲間たちとの出会いも含めて、あんなに一生懸命に夢に向かって頑張れたというのは、大人になったみんなの中でもやっぱり大きな存在になっていたんですよね。生徒だった子たちにも、何か恩返しをしたい気持ちもあったし、私が中途半端に色んなことを投げ出して沖縄のアクターズスクールを辞めてしまったという気持ちもあったので、全部ひっくるめて、みんなの思いを昇華させたいという思いはずっとありましたね」

 ―僕は30代後半で、小学校高学年くらいの時にアクターズブームをモロにくらいました。同年代と話すと「あの時のアクターズすごかったよね」と回顧的な語り口になりがちなんですが、むしろ今のJ-POPで活躍しているたくさんのアーティストたちにアクターズの遺伝子みたいなものが確実にあると感じています。現時点から振り返って、なぜ沖縄からあのようなムーブメントを起こせたと考えていますか?

「逆に言うと沖縄じゃないと出来なかったと思います。沖縄“だから”なんですよ。当時、オーディションで全国を回ってたのですが、応募してくれた延べ5万5000人全員とちゃんと会ったんです。それを踏まえて全国と比較しても、沖縄の才能の数ってエゲつないんですよ。おそらくベースの部分が日本人離れしてるのかもしれないですね。それは色んな要素があると思うんですけど、血っていうことについても、ずっと先祖をたどっていくと色んな血が混ざってる部分もあったりとか、音楽的にはカチャーシー(民謡に合わせる踊り)のリズムのとり方も日本っぽくない。『エンヤートット』みたいなアタマ打ちのリズムではなくて、ポップな曲に合わせて老若男女皆んながノレるみたいなリズム感がやっぱり明確に違うんです。
 あと、当時は芸能界が今よりも“憧れの場”だった。今はもうTikTokでもYouTubeで素人が自分で有名になれるので、芸能界に憧れて一生懸命練習して、っていうような状況はなくなりました。でも当時だと「海を越えた芸能界のテレビの世界」って、なんかもう今の感覚でいったら海外に進出するぐらいの感覚だったと思います。だから、夢を見られる、夢を思い描ける、という意味では集中して一生懸命になれる環境だったんですね。今はもうあれはできないでしょうね。あの時、あの状況で、沖縄だったから出来たんだと思います」

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