「沖縄の芸人でありたい」まーちゃんが『お笑い米軍基地』に込める思い
- 2022/8/8
- エンタメ・スポーツ
8月13日に那覇文化芸術劇場なはーとで、「お笑い米軍基地 本土復帰50周年記念 なはーと編」が上演される。沖縄の現状と、リアルな地元の人たちの姿を社会風刺コントと悲劇を通して描く舞台で、制作総指揮・企画・脚本・演出を務めるのはお笑い芸人の“まーちゃん”こと小波津正光さんだ。
「今回は全世代に伝わって、楽しんでもらえるように往年のネタ、新ネタを組み込んで網羅的な構成・内容にしています。今までやってきたことと、今現在を詰め込んだ『お笑い米軍基地』を観てもらいたいですね」と、公演への意気込みを語るまーちゃん。本番に向けて連日深夜まで稽古を重ねている現場に突撃して、話を聞いた。
なはーとで「集大成を見せる」
稽古場では舞台に参加する芸人が集まり、リハーサルが行われていた。取材をしたのは5日で、本番までは約1週間。「なはーとの1000人余のキャパでやるにあたって、たくさんの人たちに届けるために今回は集大成的な内容にするので、そのつもりでいてほしい」。後輩の芸人たちに今回の舞台にかける思いをそう説明するまーちゃんの指導にも熱が入る。
「お笑い米軍基地」の上演を始めたのは2005年。毎年6月にオール新作公演を続けて、今年で18年目を迎える。上演の内容にはその時々の時事的な情報を次々と組み込んでいくので、公演全体の雰囲気は「ネタが出揃ってから全体がやっと分かる」という。今回はおよそ5年ぶりに「ウチナ~喜劇」を復活させ、原点回帰の意味合いも込めている。
この公演を立ち上げたきっかけは2004年、在日米軍海兵隊のヘリコプターが宜野湾市にある沖縄国際大学に墜落・炎上する事故が起きたことだった。当時、東京を拠点に活動をしていたまーちゃんは、県外メディアでのこの事故の報道の扱われ方に大きな違和感を感じたという。
「当時の東京の報道は、アテネ五輪と読売ジャイアンツ・渡邉恒雄のオーナー辞任の話題で持ち切りでした。そんな中、沖縄では大学にヘリが墜ちてるんですけど、っていうことを沖縄の新聞の1面を見せながらネタでやったらすごくウケたんです。当時は『ちゅらさん』の放映タイミングでもあって、いわゆる“沖縄ブーム”の只中だったので、『これはウケる』という確信がありました。でも、そう思いつつも感情の半分は本気の怒りがありました」
公演日の8月13日は、ちょうど18年前にヘリが沖国大に墜ちた日だ。