カルト教団から若者をどう守るのか 沖縄ならではの特徴も
- 2022/8/6
- 社会
300円のブレスレットから
――そのDVDでは、どのように勧誘され、入信させられ、教団内でどのように働かされ、教義に疑問を抱いてから脱会するまで、そして家族や友達が離れてしまった脱会後の苦しみなどが5人の元信者によって赤裸々に語られています。
「学生は食い入るように見ます。カルトを防ぐ三つの方法があります。
1.カルトに関する正しい知識を持つ
2.おかしい?と思ったらすぐに相談する
3.本物を体験する
1は授業で学んでいきます。2は気付いたらチャペル、宗教部にすぐに相談してほしい。宗教以外なら学生課で対応します。友人が苦しんでいたらゆめゆめ自分で助けに行ってはいけません。向こうはプロだからミイラ取りがミイラになるので、一人で行動せず相談することをアピールしています」
――三つ目の「本物」というのは?
「本大学は日本基督教団との連携で毎週月曜日に本物の礼拝をしています。15分ほどの短い礼拝ですが、パイプオルガンの演奏、聖書のメッセージなどを体感すると、カルトがおかしい存在と気付き、悪い方向に引っ張られずに済みます。本物を体験することによって自分の中に防御する感覚・知識が生まれてきます」
――学生の反応はどうですか。
「『友達に被害を受けた子がいるんです』とか『これは大丈夫ですか』という声が返ってきます。あと、北谷のアメリカンビレッジなど若者が集まるスポットで『額に手をかざされましたが大丈夫ですか』というのもあります。『メルアドなど教えてなければ大丈夫だよ』と答えると安心するんですけどね。今は何と言ってもSNSなので簡単につながりやすく、危険なんです」
――DVDに登場する元信者たちは、大学のサークル活動名目以外にも、「勉強を教えてあげる」「一緒にバレーボールしよう」「お誕生日祝ってあげる」と近づいてきたと証言しています。中には受験前から接触して合格すると一緒に祝って仲間に引き込む事例もありました。勧誘方法は多彩ですね。
「最近は高校生がターゲットにされています。300円前後のブレスレットなどを売ったりして近づき、仲良くなるとアドレスを交換して頻繁に連絡を取り合うようになります。高い壺などと違い300円前後ですから敷居が低く、入っていきやすいんです」