世界初!ツツイカの養殖システム開発に成功 OISTが商業化へ一歩

 

繁殖、給餌、飼育でシステム確立

繁殖中のイカ(OIST提供)

 そんな中、沖縄近海に3種が生息しているというアオリイカを対象とした今回の研究では繁殖、給餌、飼育の各システムを確立したことにより、数世代にわたって水槽内での産卵、孵化に成功した。

 給餌では孵化後、早期に死餌を導入して慣れさせることや、食べ残しを直ちに除去することなどを徹底。飼育においては、水質や個体密度、水流の維持、水槽の設計など種に適した環境を模索した。それにより、生存率の向上や餌コストの低減などの成果が得られたという。

 ミラー教授は「今回の研究成果は、ツツイカを何世代にもわたって持続的に繁殖できるようになる画期的な一歩となりました」と強調。研究チームは、OISTで開発した技術を、商業化を目的とする企業にマーケティングを行う学内の技術開発イノベーションセンター(TDIC)と連携し、特許申請を行なった。

 TDICの技術移転スペシャリストであるグラハム・ガーナーさんは「この技術を企業に紹介し、ライセンス供与に繋げたいと思います」と商業化に意欲を見せている。

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長嶺 真輝

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ながみね・まき。沖縄拠点のスポーツライター、フリーランス記者。
2022年3月まで沖縄地元紙で10年間、新聞記者を経験。
Bリーグ琉球ゴールデンキングスや東京五輪を担当。金融や農林水産、市町村の地域話題も取材。

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