カルチャーとしての“飲む”を追求する「LIQUID THE STORE」の5年とこれから

 
「LIQUID THE STORE」代表の村上純司さん

 グレートーンの無機質な空間は、さしずめ実験室のよう。ともすれば少し入りづらい雰囲気を醸し出しているかもしれないが、一度扉をくぐればこれまでに見たことのないようなたくさんの飲み物(=液体・LIQUID)に出会うことができる。那覇市壷屋にある「LIQUID THE STORE(リキッド・ザ・ストア)」は、ワインやビール、スピリッツといった酒類から紅茶やコーヒー、そしてそれらを飲むための器などの道具まで、“飲むという行為”自体を専門にする酒屋兼ねるギャラリーとして沖縄で新しい試みを続けて7月に5周年を迎えた。

「飲むという行為で、人と人との間、人と物との間をつなげられると思ってるんです。たくさんのつながりが拡がっていくことで、沖縄でしか出来ない切り口も見えてきます」。代表の村上純司さんはそう語る。LIQUIDのこの5年間と、コロナ禍を経ての展開を見据えたこれからの“目論見”について聞いた。

ラボ(実験室)のような雰囲気の店内

「飲む」という行為で括る専門性

 店ではクラフトビールやナチュラルワイン、ジンやラムといったスピリッツやリキュール、日本酒、そして茶葉やコーヒー豆などを取り扱う。商品は村上さんがこだわってセレクトしたもので、各飲み物に“ちょっと踏み込んだ良いもの”だ。店内には自家製ソーセージを販売する「TESIO」も併設されており、ソーセージをつまみにLIQUIDセレクトの飲み物を立ち飲みすることも出来る。

 LIQUIDはオープン当初の2017年は宜野湾市嘉数にあった。外国人住宅の平屋にひっそりと佇む店舗は、看板だけでは一体何の店なのか分からない見た目だった。「何屋さんなの?ってめちゃくちゃ言われてましたね(笑)」と村上さんは振り返る。

 もともと東京でショップやものづくりのディレクションに携わっていた村上さん。立て続けに沖縄に関係する仕事をするタイミングがあり、沖縄に意識が向いたという。

「琉球王朝時代に貿易で栄えていたこともあって、沖縄は東アジアとの交流地点で日本の玄関口だな、と思ったのが最初の印象でした。ただその時、沖縄に日本全国のちょっと踏み込んだ良いものが共有されていないな、とも思ったんです。沖縄へのつなぎ役になれればと」

 村上さんは自身で手掛ける店を構想しており、その当初考えていたのは「交流が生まれる場所」というあり方だったが、その代表とも言える飲食業をするにはバックグラウンドがなかった。そこで、“小さな規模で新たな専門性を提示する”ということを根幹に据えて、「飲む」という行為そのものを専門にするというコンセプトに至った。

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