【復帰50年】「沖縄は試されている」元副知事・上原良幸さんインタビュー

 
上原良幸さん

 5月15日で沖縄は本土復帰50年を迎えた。連日さまざまなメディアで「復帰50年」というフレーズを見かけるし、沖縄が舞台のNHK朝ドラの放映も始まるなど盛り上がりムードが漂う。ただ、半世紀が経った今も沖縄が置かれた状況は決して楽観できるものではなく、新型コロナウイルスによる打撃からの経済回復や振興計画の具体化、そして基地問題の段階的な解決など、まだまだ課題は山積みだ。

 本土復帰時に制定された「沖縄振興特別措置法」に5年以内の見直しが規定されたことに触れ、「沖縄は試されてますよ」と危機感を示すのは、元副知事の上原良幸さん。沖縄県庁1期生でもあり、40年間県政に関わった行政マンだ。復帰後の沖縄の行政や振興策、そして何十年も抱え続けている問題点について、上原さんに話を聞いた。


 ―復帰50年目で、第6次の振興計画も策定されます。これからより良い沖縄を目指すためにはどんなことを考えて動いていくべきでしょうか。

「今最も懸念しているのは、秋の知事選。正直言って、今知事選なんかやってる場合じゃない。今回の振興計画については、自民党が5年で見直すと言っていたことが盛り込まれています。これは沖縄が試されてるということですよ。下手したら今の県政なら後半の5年も『今のままでお願いします』と言いかねない。そうなったら完全にアウト。沖縄は見切られますよ。

 だから、一応コロナのせいにして2年は猶予もらって(笑)、あと3年のうちに沖縄県民全体で知恵を集めて議論して、日本を引っ張っていくような提案をすべきです。

 そもそも本土との格差是正を図るための振興開発特別措置法は、僕は一世代30年というスパンで終わるかなと思っていたんですが、95年に発生した米兵による少女暴行事件が大きなターニングポイントになりました。

 実際、この頃には国からの補助率はどんどん削られていた。でもその過程で事件が起こり、東西冷戦が終わって安全保障について国民が関心を持たざるを得ない状況でもあったことも加わって、基地縮小の声は大きくなりました。後に普天間飛行場撤去の合意にもつながった。ここで基地の計画的返還と跡地整備の議論が始まり、沖縄振興策を具体化するための動きが加速化したんですよ。

 僕はもう今は別に振興策みたいな、沖縄に対する国の配慮みたいなものはもう要らないと思っています。もちろん基地があるから、受け取るべきものは受け取りますが」

「沖縄県は全国の中でも極めて特殊な場所と言えます。基地の存在もありますけど、沖縄だけ振興開発のための国の役所がある。他の県からみれば『沖縄はあんな所にも橋をかけやがって』と思うくらいばんない(たくさん)橋かけているでしょ(笑)。

 基地があるから作れない所もあるけれど、開発という点で見れば、現状は出来るところはもうある程度やった。そういう意味では、基盤整備は完了していると言ってもいいと思う。鉄軌道の議論も出てはいるが、『本当に今から作るの?』と。そもそも鉄軌道は開発の初期の段階でやるものだが、言ったように沖縄はもうその段階ではないので、今から鉄軌道というのは意味がないでしょう」

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