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ヒーローもフリーランスの時代だ!沖縄発「天声戦士アライブ」
- 2022/5/10
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「自分でやりたいことが全部できるという部分ですよね。二つ返事で話が進むので、とても動きがスムーズです。今は主題歌も作っています」
インタビューの途中、撮影のために国際通りに出向く。去年の8月に誕生したばかりで、決して馴染み深くはないヒーローの突然の登場に、通行人からの視線を集めるだけ集めた。
「国際通りでバーを経営しているのですが、同業者がコロナの影響で次々に店を閉めていく現状を見て、これは何か貢献したいと。地域の盛り上がりを作るためには、まず人に来てもらわないといけない、そのためには何か注目されないといけない、という思いでヒーローになろうと決めました」
“国際通りに行けば、アライブに会える”という浸透ができれば理想だという。「将来的にはアライブの姿で国際通りの治安パトロールをしたいんですけど、この前は逆にちびっ子に泣かれたばっかりで。知名度が無いし、喋り声が普通に成人男性の声なので。今は『怪しくないですよ』っていうのを証明している段階です」
スーツも濡らしてみるもんだ
地域を盛り上げたいという一心から、資金を捻出し個人レベルでヒーローになった。活動開始日は「発注していたスーツが納品された日」だ。ヒーロー活動をいったい何から始めればいいのか、模索が続いたという。
「天声戦士アライブを作ってはみたものの、全く周知させる方法が分からずに月日が経ちまして。そこで起死回生で、沖縄らしい画を撮ったら斬新かもという理由だけで、浮き輪で浮かぶアライブの画像をSNSに投稿したんです」
それが、ヒーロー業界関係者から予期せぬ反応を生んだ。
「スーツが傷むので『素材を水に濡らすのは厳禁』というのが業界の常識らしくて。画のおもしろさではなくて“常識外れのヤバい奴”ということで界隈でちょっと話題になって、昨年12月に山口県のヒーローからコラボの声が掛かり、ステージデビューを飾りました」
全国各地のヒーローや脚本家とフリーに連携
以降、県内でも精力的にショーへ出演するなど、フットワークの軽さを武器にオファーを受けるようになったアライブ。全国各地に個々で活動しているヒーローや脚本家がいて、SNS上では有機的なつながりを見せているという。
「Twitter上でリアルタイムの会話ができるSpaceを用いて、公開でミーティングをすることもあります。イベントの企画や演出内容、時にはギャラの話まで、みんなで作り上げている感覚です。今後は、ヒーローショーのみならず、ヒーロー9体で結成されたe-sportsチームに加入しているので、海外に向けて日本カルチャーの発信もしたいですね」
一人の発想から生まれたこのプロジェクト。どこまで周りを巻き込んで壮大な物語へと発展させていくのか。群雄割拠の沖縄のヒーロー界に新星が現れた。