沖縄をソーシャルビジネスの島に 世界に類を見ない目標へ加速

 

“社会不適合者”の目標達成の場を

 「私たちを一言で表すと、社会不適合者です」。その語り出しで客席の注目を一気に集めたのは、「アシタネプロジェクト」だ。引きこもりや障害などさまざまな理由で生きづらさを抱える人々を支援する「NPO法人ちゅらゆい」に通うメンバーや協力有志でつくる。いわゆる“社会的な枠組み”にうまく馴染めない人たちが仲間となってそれぞれの目標や挑戦を実現していく。

 「“社会”に“適合”する」とはそもそも何なのか、という問いをパズルの絵で示し、発表者の國吉英樹さんは「パズルのピースとしてしっかりはまることのできる形だったら、無事に社会人として一歩踏み出せるのかなと思うんですが、私たちは全然違う形をしていて、はまるのが結構厳しいです。形が合うようにやすりで削ったりしたら入れそうな気もしますが、やっぱりそれってしんどいんですよね」と、生きづらさを分かりやすく説明した。

 きっかけは、メンバーの一人・山城結花さんの「美味しいコーヒーを飲んでもらいたい」という思いだった。それを実現するために協力し合った経験から國吉さんは「私たちは(パズルとしては)こんな形してますけど、お互いを補い合ってやったら一つのパズルとして形になりました。自分は誰の役にも立たないと思っていた。だけど『いてくれて良かった。助かった』と言われて、その時初めて、自分がここにいていいんだと思えました」と語った。自身の葛藤も含めて、気持ちを包み隠さず曝け出したプレゼンは会場から多くの感動を呼び、観客の投票で選出される「島ぜんぶでうむさんラブ賞」を受けた。

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