琉球王朝の宮廷音楽「御座楽」がよみがえる 27日に演奏会

 

 曲目も、賀聖朝(がせいちょう)・一更裡(いちこうり)・闹元宵(どうげんしょう)など、中国の影響を受けたであろう名前が並んでいる。歌の歌詞も中国語である。これらは久米三十六姓(中国から帰化した人々の子孫)が中国で習い覚え楽器を中国で調達し、王府の役人や楽童子らに教授したといわれている。実際に琉球人が習得し歌い演奏していたのだから、当時の役人の教養の高さが窺える。

 続いて、舞踊の稽古が始まった。「かぎやで風」「四つ竹」などおなじみの琉球舞踊も、御座楽が伴奏すると全く異なるテイストになり、新たな視点で味わえた。

御座楽の伴奏による琉球舞踊「四つ竹」

首里城復活への願い

 御座楽復元演奏研究会はこれまで様々な舞台に招聘されることが多かったが、単独の自主公演は10年ぶりだという。結成25周年である昨年に記念演奏会を計画していたが、新型コロナウイルスの感染拡大でいったん中止した経緯があった。今回の公演は、那覇文化芸術劇場なはーとが開場記念公演として募集したものだ。

 同研究会事務局長の比嘉悦子さんは「御座楽はもともと首里・那覇で生まれた歓待芸能の1つであることから、那覇市制100周年と那覇の新しい劇場オープンを御座楽で華やかにお祝いしたいと思い、応募した」と、開催の経緯を話す。公演サブタイトル『よみがえる御城(うぐしく)の調べ』は、首里城も御座楽のように復活してほしいという願いも込めているという。

 「御座楽は、独自の歴史の変化の中で形成され華ひらいた琉球の伝統文化。首里城で生まれた音楽で復興を願いながら、那覇市民をはじめ多くの県民の皆さんに王朝時代の典雅な世界をお届けしたい」と語る。

知立公演における長線と文楽人形の舞台(写真提供=パティオ池鯉鮒)
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