新世代、世界のウチナーンチュ 8)アルゼンチンで本場の沖縄料理、赤嶺イヅミさん
- 2022/1/19
- 国際
アルゼンチンに帰国し、もともと働いていた県人連合会の沖縄レストランに戻った。まず、学んだ本場の琉球宮廷料理を連合会の方々にも味わってほしいと考え、宮廷メニューを振る舞うイベントを企画した。本場の味付けや宮廷料理という沖縄でも珍しい料理に、皆さんとても喜んだという。
日本料理店の共同出店を目指して
2020年、新しい取り組みに向けて本格的に動き始めた。偶然、留学中に沖縄で知り合ったアルゼンチンの日系人と共にブエノスアイレスで日本料理店のオープンにかかわる事になり、料理長として新しい道を歩き始める。日本料理店だが沖縄そば、ジューシー、ラフテーなどの沖縄料理もメニューに含めてアルゼンチン人に沖縄料理がどのくらい受け入れられるかも試したかったが、コロナ禍で人数制限の予約制になったり、デリバリー対応になったりと厳しい環境になり、料理長としてのポジションを断念することになる。具体的にはこれからだが、沖縄県人会連合会の沖縄レストランで働いていた方と、共同経営という形で日本料理店の出店を計画中だ。
アルゼンチンで順調にステップアップしている赤嶺さんは、沖縄で友情を築き、現在もSNSでつながっている沖縄の友人たちや他国の県費留学生と沖縄での再会を誓い合っている。本年度開催予定で、世界各地の県系人らが参加するイベント「世界のウチナーンチュ大会」への参加を楽しみにしている。
「いつかは単独で自分の沖縄料理のお店を持ちたい」
赤嶺さんはコロナ禍の厳しい中でも将来の夢を語ってくれた。「いつかは単独で自分の沖縄料理のお店を持ちたい。沖縄料理は特別だし、自身のルーツ、琉球宮廷料理を紹介したい気持ちも強い。今の時代だからこそ伝統を大切にしたい。ルーツを大切にしながら料理の道を極めていきたい」と話した。また、「留学生の時はビザの関係で沖縄で働くことができなかったので、機会があれば数か月でも実際に沖縄の沖縄料理店で働いてみたい。沖縄でしか習得できない本場の味をアルゼンチンの方々にも広く紹介していきたい」
「今でもアルゼンチンでお母さんが作ってくれるゴーヤーやナーベーラを普通に食べている。沖縄の若い人たちも、ぜひ沖縄の伝統的なものを守ってほしい。興味を持ってほしい。料理だけではなく、琉球舞踊やエイサーなど、沖縄にはうちなーんちゅとして誇れる大事なものは多いのだから」と語ってくれた。
赤嶺さんの熱い思いを聞くと、沖縄の伝統は沖縄よりも南米でより継承されているようにも感じることさえある。沖縄の若い人たちにもこの熱い思いを感じてほしいし、シンガポールに住むうちなーんちゅである私も大切にしなければいけないものだと感じている。